第104回KARCコロキウム開催報告


第104回KARCコロキウムの様子


量子情報通信の最も基本的な技術である光検出技術の研究動向について、NECナノエレクトロニクス研究所でJST ERATO-SORST 量子情報システムアーキテクチャ研究員として最先端の研究を行っている辻野賢治氏に講演をお願いした。量子情報のキャリアーとして最も基本的な単一光子の検出に関して、アバランシェフォトダイオード(APD)をsub-Geigerモードと呼ばれる特殊な方法で駆動することで、あらかじめ光子の到来タイミングを知る必要があるなどの従来方式での難点を克服できることが示された。従来の光通信との親和性が良い微弱コヒーレント光の検出に関しては、NICTで考案された最適受信法により、従来のショット雑音限界を超える検出感度が実験的に実証されたことが紹介された。その他、検出器に関する最新の動向が紹介され、超伝導検出器との比較に議論が及ぶなど非常に有益なコロキウムとなった。


参加人数10名 (内部10名、外部 0名)