超高感度光子検出技術
情報を運ぶ担い手として、光はなくてはならない媒体です。光の量子状態を自在に操ることが可能になれば、現在の情報通信インフラに大きな技術革新がもたらされます。しかし、技術開発の現実はそうやさしくはありません。我々はまだ光を、そのエネルギーの最小単位レベルで計測することができないのです。一個の光パルスに含まれる光子の数を正確に計測することは、光を使ったあらゆる量子情報技術の要となります。この光子数識別測定は単に光から正確に信号を取り出すのに必要なだけではありません。実は、光の量子状態を制御するために、必要不可欠は手段なのです。実際、光子数識別測定が誘起する量子状態間の強い干渉効果をフィードバック操作と組み合わせることで、微弱信号でも強い非線形効果を引き出すことができます。これが量子状態間の相互制御、いわゆる量子ゲート機能を可能にしてゆきます。量子情報技術の最も基本的、根本的操作です。したがって、広範囲の波長帯域において光子数識別測定の技術を確立することは、量子情報科学の最新の研究成果を実社会へ還元してゆくために避けて通れない通過点なのです。しかも、不幸にも量子情報技術の中で最も困難で開発の遅れている課題です。21世紀前半の技術開発の中でも最重要課題のひとつといっても過言ではないでしょう。
半導体光子検出器の開発
主担当者: 藤原幹生,秋葉 誠,辻野賢治