トピックス
世界初!量子鍵配送とリンクしたネットワークスイッチ」の開発に成功(2012年3月6日)
   ~ ネットワーク内外からの不正アクセス(なりすまし攻撃)に耐性 ~

 独立行政法人 情報通信研究機構(以下「NICT」、理事長:宮原 秀夫)の量子ICT研究室、セキュリティ基盤研究室及び情報システム室は、完全秘匿通信を可能にする量子鍵配送システムの中継スイッチに、情報理論上“安全な鍵(共通乱数)”を与え、ネットワークの認証・暗号化において世界最高レベルの安全性を持つ「ネットワークスイッチ」を開発しました。本技術の開発により、ネットワーク間の通信を暗号化するプロトコル(TCP/IP)の安全性がより高められるとともに、ネットワーク内外のなりすまし攻撃への耐性も強化することができます。このネットワークスイッチが実用化されれば、不正アクセスへの防御力が大幅に強固なものとなり、安心安全なネットワークの実現への貢献、さらには、量子鍵配送装置と一般的ネットワークの共存を容易にする装置としても期待されます。

詳細説明資料
  背景、今回の成果、今後の展望、 補足資料(用語 解説)、雑誌論文などの詳細は
  URL:http://www.nict.go.jp/press/2012/03/06-1.html
  を参照ください。

報道発表
【新聞】
掲載日 掲載紙 紙面 掲載内容
3月20日 日刊工業新聞 14 情通機構 量子鍵配送スイッチ開発 ネット認証・暗号化 最高水準
3月19日 日本情報産業新聞 2 NICT スイッチの性能向上 堅牢なネットワークを実現
3月12日 電波タイムズ 1 「ネットワークスイッチ」開発
  NICT、ネットの認証・暗号化を強化
3月7日 日経産業新聞 7 量子暗号手法用い防御 情通機構 侵入対策へ新方式
3月5日 日経新聞 11 重要情報漏洩を回避 サーバー接続に専用暗号
【Web】
サイト名 タイトル/ URL
MSNBC Secret codes ready to take quantum leap is space
http://www.msnbc.msn.com/id/46581073/ns/
technology_and_science-innovation/#.T1AWs4dmJ8E
Space.com Secret codes ready to take quantum leap is space
http://www.space.com/14738-secret-codes-quantum-leap-space.html
Yahoo! News Secret codes ready to take quantum leap is space
http://news.yahoo.com/secret-codes-ready-quantum-leap-space-140604611.html
日本経済新聞  サイバー攻撃受けても重要情報漏洩を回避 
http://b.hatena.ne.jp/entry/www.nikkei.com/tech/news/
article/g=96958A9C889DE1EBE1E3E0E7E4E2E2E6E2E1E0E2E3E086989
FE2E2E2;da=96958A88889DE2E0E2E5EAE5E5E2E3E7E3E0E0E2E2EBE2E2E2E2E2E2
日刊工業新聞 情報通信研究機構、量子鍵配送とリンクした「ネットワークスイッチ」の開発に成功
 http://www.nikkan.co.jp/newrls/rls20120306o-10.html
Mapion 情報通信研究機構、量子鍵配送とリンクした「ネットワークスイッチ」の開発に成功
http://www.mapion.co.jp/news/column/cobs20120306-166766/
日経プレスリリース (Nikkei)  情報通信研究機構、量子鍵配送とリンクした「ネットワークスイッチ」の開発に成功
http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=304744
Security Next NICT、「なりすまし」や「盗聴」に強い「ネットワークスイッチ」を開発
http://www.security-next.com/028530/
日刊工業新聞  情通機構、量子鍵配送スイッチ開発−ネット認証・暗号化で最高水準
 http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0220120320eaaa.html


NHK「サイエンスZERO」出演・放送(2011年7月2日) 
~ 量子ICT研究室・ナノICT研究室、NICT委託研究 ~


量子暗号技術に関して、NICTが推進してきた官民連携プロジェクトの成果が「サイエンスZERO(NHK教育7月2日(土)0:00~0:30)で取り上げられ紹介されました。番組では、暗号技術の概要紹介に続き、量子力学の世界が如何に不思議で魅惑的か、更にそれが実際に究極の暗号技術として利用段階に来ていることを、CGや取材映像を駆使して分かり易く解説されています。
再放送予定: 7月14日(木)14:00~14:30/ETV(DE2)。
                      9月17日(土)(金曜深夜)午前 0:00~ 0:30 NHK Eテレ
                      9月22日(木)6:55~ 7:25
                      9月29日(木)2:00~ 2:30 NHKデジタル教育2
サイエンスZERO


光通信理論のビット誤り率限界を世界で初めて打破(2011年6月28日)
   ~ 超長距離・低電力・大容量通信に向けた新たな一歩 ~

 独立行政法人情報通信研究機構(以下「NICT」、理事長:宮原 秀夫)は、独立行政法人産業技術総合研究所(以下「AIST」)及び日本大学と共同で、光通信のための新しい原理の量子受信機を開発し、光通信理論のビット誤り率限界を打破する実証実験に世界で初めて成功しました。将来、この量子受信機を実用化し、これまでの光通信の受信機と置き換えることで、光ファイバ中の送信電力を上げずに大容量の通信が可能になるほか、宇宙空間での超長距離通信にも有効となります。今回の実験の成功は、これらの実現に向けた最初の一歩です。なお、本成果は、米国物理学会速報誌「Physical Review Letters」(米国時間6月24日付けオンライン及び誌面)に掲載されました。

詳細説明資料
  背景、今回の成果、今後の展望、 補足資料(用語 解説)、雑誌論文などの詳細は
  URL:http://www.nict.go.jp/press/2011/06/27-1.html
  を参照ください。

報道発表
【新聞】
掲載日 掲載紙 紙面 掲載内容
6月28日 Fuji Sankei Business i 5 宇宙空間でも大容量光通信 情報通信研究機構が受信機開発
7月1日 電波タイムズ 1 光通信理論のビット誤り率 ~世界で初めて限界打破~
超長距離・低電力・大容量通信に向けて新たな一歩
7月4日 電波タイムズ 1 記者席
NICTが通信理論のビット誤り率限界を打破する実証に成功
7月8日 科学新聞 2 光通信理論のビット誤り率限界打破 新原理の量子受信機開発
10年後 衛星と地上間で応用めざす
【Web】
サイト名 タイトル/ URL
サンケイビズ  宇宙空間でも大容量光通信 情報通信研究機構が受信機開発
http://www.sankeibiz.jp/business/news/110628/bsj1106280504001-n1.htm
日経プレスリリース  NICT、光通信理論のビット誤り率限界(ショット雑音限界)を打破することに成功
http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=284554
Laser Focus World Japan NICT、光通信理論のビット誤り率限界を世界で初めて打破
http://www.lfw-japan.jp/news2011/news_20110628_01.html
Yahoo!ニュース Japan  NICTなど、従来の光通信理論のビット誤り率の理論限界を超える装置を開発
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110629-00000010-mycomj-sci
マイコミジャーナル  NICTなど、従来の光通信理論のビット誤り率の理論限界を超える装置を開発
http://journal.mycom.co.jp/news/2011/06/29/011/index.html
データベースニュース  NICTなど、従来の光通信理論のビット誤り率の理論限界を超える装置を開発
http://database-news.com/database/sql-server/81871.html
フェレットニュース  NICTなど、従来の光通信理論のビット誤り率の理論限界を超える装置を開発
http://ferret-plus.com/news/article/4/52160912
goo ビジネスEX   NICTなど、従来の光通信理論のビット誤り率の理論限界を超える装置を開発
http://bizex.goo.ne.jp/news/business/communications/20110629-n10-mycom/


重ね合わせ状態に関するNICTの研究成果がOptics and Photonics News誌において
   2010の光学分野における主要成果に選定 (2010年12月14日)

Optics and Photonics News
Optics and Photonics News 誌12月号の表紙。
今年の光学分野の主要成果"Optics in 2010"
に"量子情報の離散量と連続量を繋ぐ"という
表題で取り上げられました。

    光の重ね合わせ状態に関する量子ICTグループの研究成果が、Optics and Photonics News誌の12月号において、今年の光学分野における主要成果“Optics in 2010”の一つに選ばれ、さらに雑誌の表紙を飾りました(右図)。Optics and Photonics News誌は光技術分野の最新情報を伝えるサーキュレーションの高い主要誌の一つ。
    従来のデジタル情報は0か 1のどちらかの状態しかとることができませんが、量子情報技術では0と1だけでなく“0でもあり同時に1でもある”重ね合わせ状態もとることができます。この新しいデジタル信号は量子ビットと呼ばれ、従来不可能だった超並列計算を可能にします。
    これまで光の量子ビットには、光子の偏光が利用されていましたが、光ファイバ伝送に適した信号形態ではないため応用用途が限られていました。今回の成果は、光ファイバ伝送で使われる光波信号で量子ビットを構成することに世界で初めて成功したもの。フォトニックネットワークのノードに量子ICTを導入する際の重要な基盤技術となります。量子ビット自体は損失に弱く長距離伝送が難しいが、光ネットワークのノード内において局発光として利用することで従来のシャノン限界を超える通信が可能になります。多数の量子ビットをノードで用意し、光波信号と干渉させながら情報を復号する量子デコーダを開発できれば究極の容量限界であるホレボー限界が実現できます。
    表紙の図は、量子ビットの表現法であるポアンカレ球。従来の偏光量子ビットは、2次元の離散系であるためポアンカレ球上の位置ですべての性質が表現できるのに対し、光波量子ビットは連続値を取る無限次元系であるため、さらに各点には連続量の波動関数(カラーのとんがり帽子のような分布関数)が付随しています。論文自体は、物理学分野の伝統ある雑誌Physical Review Letters誌に発表されました。


量子暗号ネットワークの試験運用開始  (2010年10月14日)
    ~世界初、完全秘匿な多地点テレビ会議を敷設光ファイバ網で実現~

 情報通信研究機構・量子ICTグループは、NICTの委託研究機関である日本電気株式会社(以下「NEC」、代表取締役 執行役員社長:遠藤 信博)、三菱電機株式会社(以下「三菱電機」、執行役社長:山西 健一郎)、日本電信電話株式会社(以下「NTT」、代表取締役社長:三浦 惺)と共に、NICTのテストベッドJGN2plus上に量子暗号ネットワークを構築し、試験運用を開始します。都市圏の敷設光ファイバ網では世界初となる盗聴不可能な多地点テレビ会議システムを構築し、安定動作や経路制御等の試験と性能評価を行います。この試験運用には株式会社東芝(以下「東芝」、代表執行役社長:佐々木 則夫)やヨーロッパの研究機関も参加し、標準化に向けた相互接続実験も行います。 今後、本運用を経て、同技術を国家レベルの機密通信、電力・ガス・水道網などの重要インフラを監視する通信保護や金融機関の秘匿通信等に順次適用できるよう取り組んで参ります。

詳細説明資料
  背景、今回の成果、今後の展望、 補足資料(用語 解説)、雑誌論文などの詳細は
  URL:http://www2.nict.go.jp/pub/whatsnew/press/h22/101014/101014.html
  を参照ください。

報道発表
【新聞】
掲載日 掲載紙 紙面 掲載内容
10月15日 毎日新聞 7 テレビ会議、盗聴不可能に
10月15日 電波新聞 1 情報通信研究機構 盗聴、解読不可の量子暗号ネット
最長90キロの試験運用 NEC、三菱などと協力
10月15日 日本経済新聞 15 盗聴不能な量子暗号通信 TV会議で伝送試験 情通機構やNECなど
10月15日 日刊工業新聞 22 量子暗号ネットワーク 動画配信実験に成功
NECなど世界標準獲得目指す
10月15日 電波新聞 3 【情報・通信】量子暗号ネットワーク試験運用
通信・金融などに適用へ 盗聴攻撃検知やTV会議システム運用
10月15日 日経産業新聞 10 TV会議「量子暗号通信」で伝送 情通機構 NEC・東芝など参加
10月15日 電気新聞 4 NICTなど 量子暗号ネットワーク 都内で試験運用へ
10月15日 毎日新聞(大阪) 9 TV会議盗聴防ぐシステム 情報通信機構
10月15日 化学工業日報 5 NICTなど試験運用開始 世界初の量子暗号テレビ会議
伝送距離・速度・大幅向上 14年実用化目指す
10月18日 電経新聞 3 絶対に破れない暗号  量子暗号ネットワークで多地点テレビ会議
10月20日 電波タイムズ 1 NICTなど量子暗号ネットワーク試験運用を開始
絶対に盗聴できない“究極の暗号”アピール
10月22日 科学新聞 1 量子暗号通信の実用化へ 試験運用を日本で開始 -世界初の動画通信を公開-
10月25日 日本情報産業新聞 1 量子暗号で実証実験 テレビ会議システム開発
NICT/NEC/三菱電機/NTT
10月25日 映像新聞 10 量子暗号ネットワークを構築NICT,NTTなどが試験運転
伝送距離90km、100kbps達成
【雑誌】
雑誌名 紙面 掲載内容
日経サイエンス 1月号

絶対安全通信始まる
量子暗号通信 実運用へ 東京ネットワーク始動

Nature Photonics 1月号 UQCC2010:Quantum secure video
OPTRONICS 2月号 量子暗号通信ネットワーク、実運用に向けて始動!
【TV】
放送日 TV放送番組 時間帯
10月14日 NHKニュース 18:00~
10月29日 ワールドビジネスサテライト 23:00~
【ラジオ】
放送日 ラジオ放送番組 時間帯
10月14日 NHKラジオ第一 私も一言!夕方ニュース 17:00~

量子鍵配送を用いたワンタイムパッド携帯電話ソフトウェアを開発 (2010年9月2日)
   ~世界初、通話の盗聴が不可能であることを物理学的に保証した携帯電話ソフトウェア~

 三菱電機株式会社(以下「三菱電機」という。執行役社長:山西 健一郎)と独立行政法人情報通信研究機構(以下「NICT」という。理事長:宮原 秀夫)は、量子鍵配送を用いることにより、携帯電話端末(以下「端末」)間の通話の盗聴が不可能なことを物理学的に保証した、ワンタイムパッド携帯電話ソフトウェアを開発しました。光回線を使い量子鍵配送で2者間に暗号鍵を配り、通話者はそれぞれの量子鍵配送装置から携帯電話に暗号鍵をダウンロードして暗号通信を行います。通話の暗号化に用いる暗号鍵は使い捨てにすることにより、万一端末を紛失したり盗難されたりした場合でも、過去の通話記録を解読されません。
   なお、本開発の一部はNICT委託研究「量子暗号の実用化のための研究開発」(平成18~22年度)の成果です。

詳細説明資料
  背景、今回の成果、今後の展望、 補足資料(用語 解説)、雑誌論文などの詳細は
  URL:http://www2.nict.go.jp/pub/whatsnew/press/h22/100902/100902.html
  を参照ください。

報道発表
【新聞】
掲載日 掲載紙 紙面 掲載内容
9月3日 日経産業新聞 11 携帯電話向け量子暗号 三菱電、鍵共有型ソフト
9月3日 日刊工業新聞 21 三菱電 携帯の通話解読防ぐ 端末間で音声暗号化
9月3日 日本経済新聞 13

盗聴可能な「量子暗号」技術
三菱電機、携帯に応用

9月6日 電経新聞 3 世界初、通話の盗聴が原理的に不可能
ワンタイムパッド携帯ソフトウェアを開発
三菱電機とNICTが量子鍵配送を活用
9月7日 化学工業日報 5 量子鍵用い盗聴防ぐ携帯ソフト
9月8日 電波タイムズ 1 三菱電機/NICT 世界、通話の盗聴が不可能
量子鍵配送を用いたワンタイムパッド携帯ソフトウエア開発
9月13日 日本情報産業新聞 2 携帯電話に盗聴防止ソフト 三菱電機/NICT
量子鍵配送を活用
音声通話の暗号化実現
9月16日 読売新聞 10 携帯電話の盗聴防止
9月24日 科学新聞 4 盗聴不可能な携帯電話ソフト実現
光ファイバで量子鍵配送
三菱電機とNICT 共同開発

光通信の限界を超える新しい信号増幅の原理を世界で初めて実証 (2010年2月8日)
    ~英国科学雑誌「Nature Photonics」に掲載~

 情報通信研究機構・量子ICTグループは、従来の光通信の限界を超える新しい信号増幅の原理を世界で初めて実証しました。これは、量子もつれと呼ばれる信号間の特殊な結びつきの強さを増幅する技術です。量子もつれは減衰に極めて弱く、伝送途中で増幅する操作が必須です。特に、光通信の限界を克服するためには、単一光子間の量子もつれのみではなく、多くの光子を含んだ量子もつれの増幅が必要ですが、これまで実現されていませんでした。今回の成果により、低電力・大容量通信へ向けた研究開発に新局面が開かれることになります。本成果は2月7日(英国時間)付の英国科学雑誌「Nature Photonics」に掲載されます。

詳細説明資料
  背景、今回の成果、今後の展望、 補足資料(用語 解説)、雑誌論文などの詳細は
  URL:http://www2.nict.go.jp/pub/whatsnew/press/h21/100208/100208.html
  英国科学雑誌「Nature Photonics」
     "Entanglement distillation from Gaussian input states,"
  を参照ください。


ハイブリッド量子もつれ光源の開発に成功 (2010年2月3日)
   ~自由空間・ファイバ統合型量子鍵配送実現に道~

  情報通信研究機構・量子ICTグループ、宇宙通信ネットワークグループ及び日本電気株式会社は、完全秘匿通信を可能とする量子鍵配送に用いる量子もつれ光源においてファイバ内の伝搬に適したフォーマットから自由空間に適したフォーマットへの変換を行い、自由空間側とファイバ側での量子もつれ状態の共有に成功しました。これまでファイバ伝送と自由空間を統合した量子鍵配送は世界に例がなく、今回開発したハイブリッド量子もつれ光源が自由空間とファイバを統合するフレキシブルな量子鍵配送システムのキーデバイスになることが期待されます。

関連報道
   日経産業新聞2010年2月2日号11面
詳細説明資料
  背景、本成果の背景、今回の成果、今後の展望、 補足資料(用語 解説)などの詳細は
  URL:http://www2.nict.go.jp/pub/whatsnew/press/h21/100203/100203.html
  URL:Press_release20100204_hybrid.pdf
  を参照ください。


量子受信機の原理を世界で初めて検証 (2008年11月11日)
   ~ 従来の光通信性能限界を超える低誤り率受信機の原理を実証 ~

  我々のグループは、エアランゲン大学(ドイツ)及びデンマーク工科大学(デンマーク)と共同で、現在の光通信技術の性能限界を超える低誤り率での信号検出が可能な量子受信機の原理を世界で初めて実証しました。量子受信機は、現在の光通信理論に基づく受信機では不可能な深宇宙通信、超大容量通信を可能にする量子通信に必須となる基本技術であり、今回の成果は、その実現に向けた大きな一歩となりました。

関連報道
   電波タイムズ2008年11月19日号(1面)
   科学新聞2008年11月21日号(1面)
   日刊工業新聞2008年11月21日号(22面)
詳細説明資料
  背景、本成果の概要、今後の展望、 補足資料(用語 解説)などの詳細は
  URL:http://www2.nict.go.jp/pub/whatsnew/press/h20/081111/081111-1.html
  を参照ください。


都市圏敷設ファイバーで世界最長、最高速の量子暗号鍵配送に成功 (2008年3月26日)
    ~将来の極めて安全性の高い暗号鍵配送技術の実現へ向けて大きく前進~

  我々のグループは、NECと米国国立標準技術研究所(NIST)と共同で、量子力学の法則を使った新しい暗号技術(量子暗号)を、道路沿いに設置された光ファイバー回線を用いて、世界最長(97km)かつ最高速(従来比で100倍)で実現することに成功しました。
  現在インターネット上で使われている暗号技術は、公開鍵暗号と呼ばれる方式で、コンピュータの能力が飛躍的に向上すると、解読される危険性をはらんでいます。 ところが、量子暗号は将来どんなに科学技術が進歩しても、絶対に盗み見られない特徴を持っています。 最近、情報システムからの機密情報の流出が問題となっており、重要情報を一元管理するデータセンターと利用者の端末間で、秘匿性の高い通信ネットワークを構築しようとする動きが広がっています。今回の量子暗号方式は、そうしたネットワーク上での利用に適しています。
  これまでの量子暗号の研究は、ほとんどが実験室内の理想的な環境で行われていましたが、今度の実験は前述のとおり、道路沿いに設置された光ファイバーを用いて(フィールド実験)実施しました。今回達成した性能は、これまでの実験室内での記録をさらに10倍上回るもので、将来の極めて安全性の高い暗号技術の実現に向けて大きく前進する成果となります。

関連報道
   日経産業新聞2008年3月12日号(日刊11面)
詳細説明資料
  背景、量子暗号の研究開発の現状、本成果の概要、本成果の意義、今後の展開、
  補足資料(用語 解説)などの詳細は
  URL:http://www2.nict.go.jp/pub/whatsnew/press/h19/080326/080326-2.html
  を参照ください。


シュレーディンガーの猫状態の生成に成功 (2006年8月11日)
    
~量子力学のパラドックスが新しい情報通信の鍵に~

 我々のグループでは、東京大学と共同で、量子力学の有名なパラドックス「シュレーディンガーの猫」に相当する光の状態をこれまでで最も高い純度で生成することに成功しました。この成果によって、量子力学と古典力学の境界領域の詳細な研究が可能になるほか、実際の光通信で使われる多くの光子を含む光信号に直接、量子処理を施す究極の情報通信技術に道が開かれます。

補足資料
   Quantum_cat_story.pdf
関連報道
   日経産業新聞2006年8月21日号
詳細説明資料
   NICT報道資料


スクィーズド光の世界新記録を塗り替え (2006年5月24日)

 我々のグループでは、東京大学古澤研究室、慶應義塾大学神成研究室と共同で、光の量子揺らぎを真空レベルの-7.2dB(約20%)まで抑圧する事(スクィージング)に成功し、これまでの世界記録-6.0dBを14年ぶりに塗り替えました。
  レーザ光の持つ量子揺らぎを特定の位相領域で人為的に抑圧した光はスクィーズド光と呼ばれ、超並列計算を可能とする量子計算や従来限界を超える超高感度計測を実現する上で重要な光源です。通常、ポンプ光と呼ばれる強い光を特殊な結晶に当てて、波長が2倍以上の光に変換(パラメトリック下方変換)することによって生成します。スクィージングレベルは、非線形相互作用係数が大きい結晶を使って、ポンプ光強度を強くするほど高くする事が出来ます。従来使われてきた結晶では、ポンプ光が誘起する損失のため、ポンプ光強度を上げてもスクィージングレベルが頭打ちとなるため、1992年にカリフォルニア工科大学 (Caltech)で達成された-6.0dBを長らく超える事が出来ませんでした。 今回、擬似位相整合構造を持つポタシウムティタニルフォスフォレート結晶(KTiOPO4)を用いてポンプ光誘起性損失が極めて低いパラメトリック発振器を開発し、スクィーズド光源に新たな道を開きました。
  今回の実験では、Caltechの実験と同じ430nm帯のポンプ光を用いて860nm帯でスクィーズド光を生成し、位相のぶれを4度以下に抑えて安定な位相ロックのもとで-7.2dBという世界最高のスクィージングレベルの観測に成功しました。
  スクィージングレベルが-7dBを超えた事で、万能量子ゲートに必要な4段の量子テレポーテーションによる信号処理が可能になるほか、従来の計測における理論限界を超える量子もつれ計測技術を実現する事が出来ます。
  今回開発した装置を最適化すれば-10dBのスクィージングレベルの達成も原理的に可能で、今後さらに性能改善を進めてゆく予定です。

発表論文
   Applied Physics Letters 89, 061116(2006)
関連報道
   日経産業新聞2006年6月2日号
   電波タイムズ2006年6月9日号
関連記事
   Laser Focus World JAPAN 誌 2006年7月号
詳しい解説はこちら

世界で初めて時間波形制御された単一光子列の生成に成功 (2004年10月28日)

 光の最小構成単位である光子は、複製が不可能であることや同時に二つの状態を取ることができるなどの顕著な量子力学的性質を有し、量子情報通信での理想的な情報伝達媒体のひとつとされています。レーザーを始めとする通常の光の発生方法では光子が集まって発生するため、時間的に離散化した光子を連続的に発生させる(単一光子列の生成)ためには特別な方法が必要とされます。今回の実験では、イオントラップと呼ばれる装置で真空中に固定した単一のカルシウムイオン(40Ca+)を発光媒質とし、光共振器を用いた誘導放出と呼ばれる発光メカニズムを用いることで、時間波形制御された単一光子列を発生することに成功しました。単一光子の時間波形制御は、量子情報の基本単位である量子ビットを原子と光子の間で交換するための最も重要な技術の一つです。原子と光子の間で量子情報が交換できると、量子コンピュータ間の量子ネットワークや、ネットワーク決済に欠かせない高度な時刻同期を保障する量子時刻同期などの応用が可能になります。

発表論文
   Nature 431, 1075 (2004)
関連報道
   日刊工業新聞2004年10月28日
   日経産業新聞2004年10月29日
   科学新聞2004年11月26日
関連記事
   電子情報通信学会誌2005年1月号
   日経コンピュータ2005年5 月16日号


半導体レーザ第2高調波励起による光パラメトリック発振器を用いた高効率な非古典光発生装置の開発に成功 (2004年9月1日)

 従来、狭線幅の緑色コヒーレント光発生には、YAGレーザの第2高調波等が用いられてきました。今回、これに代わる半導体レーザの高効率第2高調波発生による狭線幅緑色コヒーレント光源の開発に成功しました。出力50mW、波長1080nmの外部共振器型半導体レーザとa軸カットのKTP結晶を組み合わせることによりTYPE IIの非臨界位相整合(NCPM)を実現し、変換効率51.6%でビームクオリティの高い波長540nmの緑色コヒーレント光を得ています。共鳴光フィードバックの手法を用いた安定化と狭線幅化が行われており、強度安定度は0.3%、線幅は82kHz以下でした。この光源はa軸カットのKTP結晶を用いた光パラメトリック発振器を励起するのに最適であり、組み合わせて非古典光であるツインビームの発生を行った結果、出力5.1mWで63%のスクイージングが得られました。この開発成果は、量子情報通信の多機能化へ向けて、装置の高効率化、コンパクト化および低廉化で世界に先行するものです。

関連ニュース
   News Breaks in “Laser Focus World”、2005年9月1日
発表論文
   Optics Express 12, 3567 (2004)
   Optics Letters 29, 1665 (2004)


量子効果に基づく情報圧縮操作を世界で初めて実証 (2003年11月21日)

 信号の圧縮とは信号に含まれる冗長性を取り除く操作で、信号の特徴を利用し、情報量を減らすことです。従来の情報圧縮には限界がありますが、量子情報理論によれば、従来の理論の限界以上に更なる圧縮が可能になることが予想されています。信号を運ぶ量子状態には一般に量子力学的な重なりが存在しますが、この重なりは粒子間の量子相関を適切に制御する事で取り除くことができるのです。今回の実験では、一つの光子の直交する偏光面と4本の伝送経路と量子もつれを形成する変換を行う線形光学素子を使って、3ビットの信号を2ビットの信号に圧縮し、再び3ビットの信号へ復元することを行いました。復元された信号の復元精度を測定したところ、量子もつれを使わない従来の圧縮限界よりも高い復元精度が達成されていることが確認されました。当グループでは量子通信路符号化についても既に原理実証に成功しており、これで量子情報技術の根幹をなす2つの符号化操作の実証が成功したことになります。
  本研究は,総務省「量子情報通信研究開発プロジェクト」及び科学技術振興機構CREST中村プロジェクトの一環として実施されたものです。

発表論文
   Physical Review Letters 91, 217902 (2003)
関連報道
   日経産業新聞2003年11月26日先端技術欄
詳しい解説はこちら(トピックス解説1)


大容量通信の新しい原理として期待される超加法的量子符号化利得を世界で初めて実証
   (2003年5月26日)

 将来の大容量通信の新しい原理として期待される超加法的量子符号化利得を世界で初めて実証しました。この原理は、伝送に使う搬送波の信号パワーや帯域を2倍に増やした時に、伝送できる情報量が2倍以上に増えるという原理です。特に、光子や電子レベルの微弱な信号を扱う領域で顕著になる量子力学的効果で、従来の情報理論の範疇ではありえない新しい効果です。今回、光子の偏光と空間的光路を使って変調した信号を送り、受信過程において偏光と光路の間で適切な量子もつれを形成させながら復号する事によって、光路の数を2倍に増やしたときに2倍以上の情報量が伝送されることを実証しました。この成果は、微弱信号検出や大容量通信を実現する際、従来の技術限界を打破する新しい原理を示すものです。
  本研究は、総務省「量子情報通信技術の研究開発プロジェクト」及び科学技術振興事業団CREST中村プロジェクトの一環として実施されたものです。

発表論文
   Physical Review Letters 90, 167906 (2003)
関連報道
   日経産業新聞2003年5月22日先端技術欄
   日経新聞2003年5月26日科学欄
詳しい解説はこちら(トピックス解説2)


単一光子状態から最大の情報量を引き出す量子回路の開発に成功 ! (2001年12月)

  単一光子による多値偏波変調信号は、量子信号検出理論の原理実証を行う上でもっとも簡単な信号系です。一方、信号の識別に必ず有限の誤りを伴い、それゆえに、これを逆に利用して量子暗号のプロトコルを構成することもできます。このような信号系に対して、これまで存在が予言されているにも関わらず、まだ実験的に実証されていなかった一群の量子最適検出戦略の実証に成功しました。量子最適検出戦略は最大3値の出力を出し、変調信号数が何値であってもこれで最大の情報量が取りだせます。 この信号検出器は簡単な偏光Mach-Zehnder干渉系から構成することが可能で、予言されている量子最適検出限界の約96%まで迫る検出性能を実証しました。

『通信の基本原理』

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