はじめに
  目 的
  マルチスペクトル撮影と多原色表示の概念
  研究内容
  応用分野

   
         
 
凵@ はじめに  

マルチメディア技術の発達に伴い、わが国でも経済・文化活動を支援する情報システム の整備が進められています。これらの情報システムを利用し、自宅に居ながらにして買い物 ができるオンラインショッピングや地域格差を縮小する遠隔医療、電子美術館等の実現が 期待されています。ところが、現行のアナログ/デジタル映像技術を用いて患者を撮影した り美術品や衣料品を表示すると、実物を肉眼を見る場合とは異なる印象を受ける場合が あります。
問題点
現行のアナログ/デジタル映像システムは、人間の視覚系が3 種類の異なる分光感度を 有するセンサで構成されていることから、3 つの色成分(赤・緑・青の3 原色)の組合わ せにより撮影・表示を行ってきました。しかし、実際には3 原色では人間の目が知覚できる色 域を再現することができません。そのため、3 原色でとらえる限り、被写体の色・質感・立 体感・光沢感を再現することはできません。すでにデジタルアーカイブ整備等のプロジェク トを展開しているヨーロッパでは、被写体の色・質感・立体感・光沢感を再現する能力の 不足が指摘されており、これらを正確に再現するためのデジタル映像システムの必要性が 認識されつつあります。 また、現行システムは撮影側のカメラや表示側のモニタ等がそれぞれ独自の処理をして おり、単にこれらを接続しても「実物の色」を再現することは不可能です。 さらに、現行のがぞう圧縮方式(JPEG 、MPEG 等)は、3 原色に基づく画像を圧縮/ 伸張するための技術であるうえ、色情報を劣化させる場合があります。「実物の色」を再現し ようとする目的には適用できないのです。

 
 
凵@ 目 的
被写体の色(スペクトル情報)・照明環境・入力装置特性等のデータを収集・伝送・表示・保存・分析する流れをトータルに扱い、従来なし得なかった 被写体の色・質感・立体感・光沢感を 忠実に再現 する技術を現実にすることを目的として研究開発を行っています。
■観察者がその場に行ったときに見る色をそのまま再現する■
 
■対象物が観察者の目の前にあるときと同じ色を再現する ■
 
 
  マルチスペクトル撮影と多原色表示の概念
・・・・・マルチスペクトル撮影・・・・・
  現行のRGBカメラでは図に示すように各原色の分光感度特性が非常にブロードな特性をしているため人の眼が感じる特性に変換することが難しい。また、画像の伝送を考えた場合一般に撮影側と観察側の照明光が異なるが、現行システムでは照明光の違いが考慮されていない。人の眼が感じる観察側の照明光下の色を正確に算出するためには、被写体のスペクトル情報が必要であり撮影をマルチスペクトル化することが極めて有効である。
・・・・・多原色表示 ・・・・・
表示装置の色再現の範囲(色域)は表示する各原色の囲む範囲となる。RGB表示装置では三角形となり人間の眼が知覚できる色域の一部しか表示できないため、彩度の高い色を再現することが不可能である。多原色表示を利用することで表示装置の色域を多角形とし、人間の眼が知覚できる色域に近づけることが可能となる。
・・・・・ 伝送技術 ・・・・・
スペクトル情報を含むディジタル映像を伝送・配信する際には、様々な目的で活用できるように、映像情報を照明環境や撮影機器の特性の情報とともに構造化することが必要とされる。また、3原色に比べてデータ量が大きくなるマルチスペクトルデータを、色再現精度を保ったまま圧縮/伸張する技術が不可欠である。
 
 
  研究内容
研究内容は、 収集 技術伝送 技術保存・分析 技術表示 技術から成ります。
・・・・・ナチュラル映像オブジェクトデータの収集技術 ・・・・・
被写体の色(スペクトル情報)を色再現に必要なデータとして収集するための技術を研究します。
     
 
  ・マルチスペクトル映像入力システムの開発    
  ・照明環境情報の取得    
  ・光沢、質感等を再現するための映像入力    
       
     
マルチスペクトルカメラ
 
・・・・・ ナチュラル映像オブジェクトデータの伝送技術 ・・・・・

被写体の色を、照明環境や入力装置特性等の色再現に必要なデータと共にオブジェクトデータ化し、伝送するための技術を研究します。

     
 
  ・ナチュラル映像データの構造化      
  ・スペクトル情報を劣化させない圧縮・符号化      
・・・・・ ナチュラル映像オブジェクトデータの保存・分析技術 ・・・・・

収集された映像データの活用を図るためのデータ保存技術、画像の特徴抽出および解析技術を研究します。

  ・スペクトル情報の活用に適したデータベースの構築      
・色やスペクトル情報を利用した特徴抽出
・色やスペクトル特徴を用いた画像検索
・・・・・ 色再現域を飛躍的に拡大する表示技術 ・・・・・
3原色ではなく多原色で表示することで、ディスプレイの色再現範囲を拡大する技術を研究します。
  ・多原色表示のための色変換技術      
・画像重ね合わせによる高精細・大画面・多原色表示技術
 
  応用分野
ナチュラルビジョンの応用分野について示します。

スーパーリアリティの実現

どのような照明の下でも、商品のありのままの色を再現します。

電子美術館や遠隔医療では、正確な色再現が必要です。
 
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