- 九州長波局(はがね山標準電波送信所)本格運用開始
−新時代の日本標準時供給体制が確立− 「電波時計」新たなスタ−トライン
- 平成13年9月13日
独立行政法人 通信総合研究所(理事長:飯田 尚志、旧 郵政省/総務省 通信総合研究所)は、我が国の周波数国家標準に責任を持つ唯一の機関として、標準電波の発射等を通じて正確な周波数と日本標準時を日本全国にお知らせしています。 日本の標準電波の歴史は、1940年1月の短波帯標準電波発射で幕を開けました。しかし、短波帯の電波は、その伝わり方が電離層の影響を受けやすいことから、受信状態が不安定、外国電波との混信、受信周波数精度の不足等、短波帯特有の欠点が指摘されていました。
こうした背景の中、通信総合研究所は本格的な長波帯標準電波送信施設を福島県の大鷹鳥谷山(おおたかどや山)山頂に整備し、「電波時計」の基準信号として利用可能なタイムコ−ド情報送信を1999年6月に開始しました。同施設(おおたかどや山標準電波送信所)の運用開始以来、長波帯標準電波は「電波時計」をはじめ交通関係や観測機器の時刻管理など国民生活の幅広い分野で活用されています。
さらに、通信総合研究所は、佐賀県と福岡県の県境 羽金山(はがね山)山頂に、第2局目となる長波帯標準電波送信施設(はがね山標準電波送信所)整備を二カ年計画で進めてまいりました。 この間、地域住民および地元自治体等をはじめとする関係機関の多くの協力が得られ、当該施設が完成し、その運用を2001年10月1日に開始することとなりました。
「はがね山標準電波送信所」が本格運用を開始することにより、日本の長波帯標準電波送信所運用の複数局体制が確立され、標準電波を中断なくかつ安定的に供給するための相互バックアップ機能が充実します。そして、西日本域における標準電波受信エリアの充実が図られます。
これらにより、日本全国に"安定で質の高い標準電波"の提供が実現できます。まさに、誤差、数十万年に1秒以下という究極の精度を誇る新たな「電波時計」市場がさらに拡大するとともに、これからの国民生活に不可欠な21世紀の社会基盤が構築されようとしています。
(お問い合わせ先)
独立行政法人通信総合研究所 電磁波計測部門
日本標準時グル−プ グル−プリ−ダ−
栗原 則幸
TEL. 042−327−7566、FAX. 042−327−6689、e−mail kurihara@crl.go.jp
【用語の説明】・日本標準時
日本標準時は国際的に定義された「秒の定義」に従って、通信総合研究所(以下、CRL)が有する10台のセシウム原子時計をもとにつくられます。 そして日本標準時は、世界各国の標準時機関がつくり出すそれぞれの国の標準時と高精度国際比較を定期的に行っています。 国際比較に利用されたCRLの時刻比較デ−タは、世界共通の標準時(国際原子時や協定世界時)決定にも大きく寄与しています。・標準電波
標準電波は、これまで主として短波帯の電波を用いて送信されてきました。 しかし、伝搬特性上の問題、近隣諸外国の標準電波との混信などの問題が顕著となり、CRLでは短波帯の標準電波送信を2001年3月31日に停止させ、その業務を廃止しました。 現在は、受信周波数精度が高く、周波数や時刻の情報(電波時計)の利用が容易な長波帯の電波を利用した標準電波を送信しています。・電波時計
「電波時計」とは通常の時計としての機能の他に、標準電波を受信することによって時刻を自動修正する機能を持った時計です。 「おおたおかどや山標準電波送信所」の運用開始後は急速に普及が進み、2000年12月末の段階で200万台以上が販売されています。 数十万年間でも1秒以下の誤差という高精度で、かつ人手による時刻合わせが不要などの手軽さが好評で、今後の時計生産販売の主流となる予測もあります。 ただし、電波が遮蔽される場所や、電磁雑音(ノイズ)を発生させる機器類周辺では使用できないこともあります。
【参考資料】
◆添付資料 その1 : 長波帯標準電波送信所の概要
◆添付資料 その2 : 長波帯標準電波のカバ−エリア
◆添付資料 その3 : 「はがね山標準電波送信所」全景/送信局舎 写真
◆関連パンフレット: 長波帯標準電波施設
◆添付資料 その1 : 長波帯標準電波送信所の概要
長波帯標準電波送信所の概要
1.はがね山標準電波送信所の所在地
佐賀県佐賀郡富士町と福岡県前原市との境界にある羽金山(はがねやま)山頂付近
2.送信施設概要
送信所名称 : 独立行政法人 通信総合研究所 はがね山標準電波送信所
送信周波数 : 60 kHz
送信アンテナ: 200 m 主鉄塔による傘型アンテナ
送信機出力 : 50 kW
実効輻射電力: 10 kW 以上
運用時間 : 24時間連続(落雷対策/施設機器類点検保守時等を除く)3.本格運用開始日時
平成13年10月1日 11:30 頃予定
4.送信信号
時刻情報 : 年、通算日、曜日、時、分、うるう秒情報、時・分に対するパリティなど
送信点における周波数精度: 国家標準に対し1×10−12 以内
◆添付資料 その2 : 長波帯標準電波のカバ−エリア
長波帯標準電波のカバ−エリア
◆添付資料 その3 : 「はがね山標準電波送信所」全景/送信局舎 写真
はがね山標準電波送信所 全景
「はがね山標準電波送信所」送信局舎