報道発表(お知らせ)



独立行政法人情報通信研究機構(以下、NICT。理事長: 長尾 真)は、高い周波数帯で動作可能な小型高機能RFデバイスの開発、これを用いたミリ波通信システムの設計開発等により、新たなミリ波帯を用いた新世代ミリ波システムの基盤技術を確立し、国際標準化を推進しています。国際標準化のためには、アジア各国との協力関係が重要です。この度NICTはアジア各国との協力関係を強化するために、韓国の三研究機関(延世(Yonsei)大学無線通信研究センター(以下、RCRC。センター長:Young Joong Yoon教授)、光雲(Kwangwoon)大学無線用集積回路研究センター(以下、RFIC。センター長:Nam-Young Kim教授)、光州(Gwangju)科学技術院メカトロニクス学部(以下、GIST。学部長:Kyihwan Park教授))と覚書を締結し、新世代ミリ波通信システムに関する基盤技術の共同研究開発を開始しました。

<背景>
NICTは、新たな周波数資源開拓のため、および大容量高速通信に適したミリ波帯(電波)に着目して、ミリ波帯を使用した無線通信システムの研究開発を積極的に実施し、新世代ミリ波通信システムの研究開発の準備を進めています。一方、韓国においてはRCRCにて次世代無線通信技術、ミリ波フォトニクス技術等に関して科学技術省からのサポートおよび産学官連携により研究開発を行っています。RFICでは情報通信省のサポートと産学官連携により無線通信用集積回路技術、増幅器線形化技術、モジュール技術等の研究開発を行っています。そしてGISTではミリ波回路やモジュール設計技術、ミリ波レーダーの研究開発を産学連携で推進しています。このように各大学ともにミリ波を用いた研究開発分野で精力的に活動しています。特に、RCRCはミリ波フォトニクスに関する学会、RFIC, GISTはマイクロ波やミリ波に関する学会で多くの成果を発表しています。

<共同研究の概要>
この度、NICTは上記機関との覚書を締結し、新たなミリ波帯を用いた次世代大容量ミリ波通信システムに関する研究を約2年間の予定で開始します。具体的な課題としては、100GHz帯まで動作可能な小型高機能RFデバイスやモジュールの研究開発、光ミリ波変換デバイスの研究開発、これらを用いたミリ波システムの設計開発等があります。これらを通して、新たなミリ波帯を用いた次世代大容量ミリ波システムの基盤要素技術を確立し、今後予想される国際標準のための準備および日韓協力体制を整えます。NICTはこの覚書締結によりミリ波帯に関する技術情報の交換、研究者の交流を各大学との間で進めます。また、2005年2月には、NICT主催のTSMMW2005シンポジウムを韓国ソウル市MINT-MIS2005と同時開催します。これらのシンポジウムには国内外各機関からの積極的な参加が見込まれ、シンポジウムを通して各機関との国際連携を積極的に進め、日韓両国のミリ波帯技術の発展を図ります。現在、NICTは韓国東国大学のミリ波新技術センター、ファインランドの国立ミリ波研究所との間で共同研究を進めていますが、今回新たに3機関が加わることにより、国際的連携の輪がさらに広がり、新世代大容量ミリ波通信システムの研究開発および世界標準化に向けた取り組みをさらに加速させていきます。



<問い合わせ先>
情報通信研究機構 総務部 広報室
大崎祐次、大野由樹子
Tel:042-327-6923
Fax:042-327-7587
広報室アドレス

<担当部門問い合わせ先>
横須賀無線通信研究センター 新世代モバイル研究開発プロジェクト推進室
小川博世
Tel: 046-847-5070 、Fax: 046-847-5079
E-mail: hogawa@nict.go.jp



【用語説明】

延世大学無線通信研究センター
略称RCRC(Radio Communication Research Center)。5つの研究部で構成されており、科学技術省および民間企業のサポートで無線通信技術の要素技術からシステム技術に至る分野の研究開発を行っている。

光雲大学無線用集積回路研究センター
略称RFIC (Radio Frequency Integrated Circuit Center)。私立大学である光雲大学の研究拠点の1つであり、情報通信省のサポートで無線通信用回路技術の研究開発を行っている。

光州科学技術院メカトロニクス部
略称GIST(Gwangju Institute of Science and Technology)。科学技術に関する大学院大学であり、大学内で教授がベンチャービジネスを起業しており、産業界とのつながりが大きく、ミリ波技術に関する研究開発が盛んである。

東国大学ミリ波新技術研究センター
略称MINT(Millimeter-Wave Innovation Technology Research Center)。東国大学の17ある研究拠点の1つであり、ミリ波集積回路(MMICデバイス)の研究開発を目的として設立された。KOSEF(韓国科学技術基金)のサポートで研究開発を行っている。

フィンランド国立ミリ波研究所
略称ミリラボ(MilliLab)。フィンランド国立技術研究センター(略称VTT: Technical Research Center of Finland)とヘルシンキ工科大学(略称HUT: Helsinki University of Technology)によって、ミリ波技術の研究開発を目的として1995年に設立された。ヨーロッパ宇宙機構(ESA)のミリ波開発部門でもあり、電波天文用ミリ波デバイス、ミリ波高精度測定法等の研究開発を行っている。

ミリ波帯電波
30 GHzから300 GHzの周波数帯の電波を指す。この電波は波長が数mmと短いため、小型で鋭いビームを持ったアンテナを作れ、高い利得が得られるが、大気や降雨による減衰が大きいために、比較的近距離の無線通信に利用される。

TSMMW2005
7th Topical Symposium on Millimeter-Waves(第7回ミリ波国際会議)

MINT-IMS2005
6th MINT International Millimeter-wave Symposium(第6回MINT国際ミリ波会議)