報道発表(お知らせ)



独立行政法人情報通信研究機構(以下、NICT。理事長: 長尾 真)は、来るべきユビキタスネットワーク社会の発展を担う若手研究者等の発掘・育成を促進し、我が国の情報通信技術の研究開発の活性化を図るため、「第2回JGN2*1を活用した研究開発アイデアコンテスト」の募集を平成18年7月10日〜10月31日に実施しました。

審査の結果、総務大臣賞、最優秀賞、優秀賞、奨励賞各1件及び特別賞1件が決定しました。平成19年1月17日から広島国際会議場で開催される『JGN2シンポジウム2007 in 広島(詳細:別紙2およびhttp://www.ilcc.com/jgn2/ 参照)』に於いて、各賞の受賞者表彰式(17日 15:00〜)が行われます。


【概 要】
「JGN2を活用した研究開発アイデアコンテスト」に対し、全国各地から74件の応募をいただきました。うち71件は高等専門学校、大学等の学生が占めましたが、中学生の応募もありました。

これらの中から、次世代ネットワーク推進会議研究推進部会*2の審査を経て、総務大臣賞、最優秀賞、優秀賞、奨励賞及び特別賞を以下のとおり決定しました。


【受賞者及びアイデアのテーマ名等】   (敬称略)
賞の名称
受賞者名
アイデアのテーマ名
受賞者の所属等
総務大臣賞 出羽 司手話データベースネットワーク(SDN)専門学校サンテクノカレッジ 2年
最優秀賞 池庄司 敏孝 『さぁ、今朝も元気にラジオ体操しましょう』ネットワークチェックシステム東京工業大学理工学研究科 助手
優秀賞 渡邉 優太 JGN2利用によるリアルタイム共同モデリング高知工業高等専門学校 4年
奨励賞 今井 雅文JGN2を利用した教育用太陽電波望遠鏡システム高知工業高等専門学校 4年
特別賞 田原 美南
古瀬 瑞穂
田原 照平
JGN2を融合利用した知的観光サービス奈良教育大学付属中学校 2年


【審査方法等】
審査は、次世代高度ネットワーク推進会議研究推進部会においてオリジナリティ、先進性、社会的影響や波及効果等を評価項目(詳細は別紙1参照)に行いました。
*各受賞者のアイデア概要等は別紙3をご参照ください。


<広報 問合せ先>
総合企画部広報室
栗原 則幸、大野 由樹子
Tel: 042-327-6923、Fax: 042-327-7587
広報室アドレスpublicity@マークnict.go.jp
    <コンテストに関する問い合わせ先>
連携研究部門テストベッド推進グループ
井出 政司、嶋田 昌行、小野 博喜
TEL:042-327-6005
FAX:042-327-5689
E-mail:jgn2center@マークjgn2.jp

JGNIIロゴマーク



<用語解説>

*1 JGN2
JGN2は、独立行政法人情報通信機構が平成16年4月から運用を開始しているオープンな超高速・高機能研究開発テストベッドネットワーク。現在、全都道府県ならびに、米国、タイ、シンガポールにアクセスポイントを持ち、国内外の産・学・官・地域などと連携し、次世代のネットワーク関連技術の一層の高度化や多彩なアプリケーションの開発など、基礎的・基盤的な研究開発から実証実験まで推進し、我が国、経済社会の活性化と国際競争力の向上を目的としている。

*2 次世代ネットワーク推進会議研究推進部会
JGN2を用いた研究開発テーマの検討、その他のJGN2上での効果的な研究開発の推進に関する検討及びJGN2リサーチセンターをはじめとするNICTの研究者と他の研究者との連携、関連する学会等との連携を目的に設置されている部会。メンバーはJGN2リサーチセンターやNICTのJGN2を利用した研究者、その他部会長が必要と認めるメンバーから構成されている。
<構成メンバー>
部会長   尾家 祐二  九州工業大学 教授
副部会長  江崎 浩   東京大学 教授

(五十音順、敬称略)
久保田 文人  情報通信研究機構 新世代ネットワーク研究センター長
故 古賀 達蔵  情報通信研究機構 つくばリサーチセンター長
小林 和昌   倉敷芸術科学大学 教授
下條 真司   大阪大学 教授
曽根 秀昭   東北大学 教授
福本 昌弘   高知工科大学 助教授



別紙1


審査方法について

「第2回JGN2を活用した研究開発アイデアコンテスト」は、来るべきユビキタスネットワーク社会の発展を担う若手研究者等の発掘・育成を促進し、我が国の情報通信技術の研究開発の活性化を目的に、次世代高度ネットワーク推進会議研究推進部会メンバーが中心となり企画、推進しました。提案内容(アイデア)の審査についても同部会メンバーから成る審査委員によって行われ、受賞者が決定されました。

【審査基準】
提案された個々のアイデアを審査するにあたり、審査基準として以下7つの評価項目を設けました。

評価項目

  1. オリジナリティ:アイデアに独自性があるか。すでに一般的に考えられているものでないか。
  2. 先進性:時代を先取りした発想であるか。最新技術を利用した提案であるか。
  3. 社会的影響及び波及効果:アイデアが実現されると一般の多くの方の利便性が向上し、他分野への応用が期待できるか、また起業化・新規事業化につながるか。
  4. JGN2の活用度合い:JGN2を活用した研究につながるか。
  5. 発展可能性:今後、研究として発展できるか。
  6. 実現可能性:アイデアの実現において、技術的及びコスト的にも現実的なアイデアであるか、
  7. 分かりやすさ:図を用いるなど見た目に分かりやすい構成となっているか、具体的な例をまじえるなどして理解しやすく説得力があるか。
なお、総務大臣賞につきましては、特に“アイデアの内容が優れており、オリジナリティ、社会的影響の高いもの”を選定しました。



別紙2


ちらし
ちらし



別紙3

―各受賞者のアイデア概要―


<総務大臣賞>

タイトル:「手話データベースネットワーク(SDN)」

提案者氏名:出羽 司
提案者所属:専門学校サンテクノカレッジ 2年

<概 要>

世界の異なるさまざまな手話を映像や文字、音声によってデータベースサーバ「Sign」に収集し、同時に翻訳、会話ができるネットワークを提案します。
世界各国の手話を集めたサーバ「Sign」と世界各国に配置したビデオ端末を繋ぎ、手話の翻訳、手話の会話ができるようにする。

図

<特 長>
  • 世界各国の手話を単語によって分け、それぞれの動作をパターンによってSign Serverに登録することにより、単語。又は動作でリアルタイムに翻訳検索ができるようになる。
  • 一つの画面に各国の手話の動作と意味がリアルタイムに表示できることによって、手話による会話ができるようになる。

このリアルタイムによる翻訳にJGN2ネットワークが最適である。

図


<最優秀賞>

タイトル:『さぁ,今朝も元気にラジオ体操しましょう』ネットワークチェックシステム

提案者氏名:池庄司 敏孝
提案者所属:東京工業大学理工学研究科 助手 / NASA Goddard Space Flight Center 客員研究員

<概 要>

  1. 「ラジオ体操・みんなの体操」の映像をクライアントPCに配信し, 個々人の体操の様子をWebCam映像で撮影し,サーバに送信します.サーバはリアルタイムで体操が正しく行われているかをチェック,採点します.そして,重点指導体操種目をクライアントPCに送信し,記録を保存するシステムです.記録はWeb による記録閲覧ができるようにします.

  2. 郵政公社簡易保険,民間生命・健康保険会社,健康保険組合等,システム利用者(保険契約者)がデータ閲覧を許可した団体にサーバの記録を利用させ,期間・採点等の組合わせ指標を元に,優秀なシステム利用者に特典を与える等の利益還元を行います.

図

<特 長>
  1. 「ラジオ体操・みんなの体操」を毎日続けることは健康増進に大いに役立ちます.  また,仕事能率を向上させる,健康保険支出を低減するなど,社会的損失の軽減に,個々人の小さな積み重ねではありますが,社会全体に大きな効果があります.

  2. 加入者の健康増進を促すため,家族での加入,利用も推奨されます.また,仕事能率向上や安全確保の観点から,職場で団体加入することも見込まれます.こそのため,全国的普及の可能性があります.

  3. 地方自治体や町内会,ボランティアが,退職者や小中学生を対象に公園等で集団で行えば,地域の親睦を深め,地域の活性化と,軽犯罪の防止にも効果があります.

  4. 以上の理由から,数百万人規模の加入利用者が見込まれ,大量の映像配信とリアルタイ映像受信が同時に行われ,JGN2の大容量バックボーンが大活用されます.

図

<技術的実現可能性>

現用の画像解析技術で,個人認証と,正しく体操を行っているかの判断は可能と思われます.しかし,数十人規模の集団の高精細画像から,個人同定とモーションキャプチャリングを同時処理するため,ソフトウェア,ハードウェア両面での技術的ブレークスルーが必要です.また,映像送受信,データベース化,利用者利用状況のWeb閲覧も現行技術で可能です.大容量のデータを同時送受信するので,どの程度の帯域幅を必要とするのかが問題となると思われます.


<優秀賞>

タイトル:「JGN2利用によるリアルタイム共同モデリング」

提案者氏名:渡邉優太
提案者所属:高知工業高等専門学校 4年

<概 要>

図 モデリング中の人体頭部

3DCG等を作る際、製作したい物体が複雑な構造だと時間がかかる。また、平面のディスプレイで3D的にVERTEXやFACEの編集をする作業は初心者には勝手が分かりづらくなかなかうまくいかない。

そこで超高速回線を利用し、Web上の同一スペースにおいて共同で物体の編集作業を行えたらと思う。同一の物体を共同で編集すれば、上級者同士なら作業能率の向上がのぞめる。初心者は上級者とともに作業する事によってその技術を盗む事ができる。また、実際に作業に加わらず上級者の編集作業を見学するだけであっても、初心者にはよい経験となるはずである。

例えば人体頭部のモデリング。(右図に示す)は初心者には難易度が高く、見慣れている物体を作りたくてもどこからどうしていいかが全く分からない。これを上級者がなんなくこなしている様子をリアルタイムで見られたら、きっと励みになるだろうし、参考にできるだろう。

<特 長>

これが実現すれば3DCGクリエイターを志す人にとって大きな力になれる。敷居の高かったCG技術がよりいっそう身近なものになり、誰でも気軽に挑戦できるようになる。世に出る作品のクオリティーも向上するだろう。

実現のためにはこれまでにないほどの超高速回線が必要。JGN2がそれだけの能力を有している事が条件となる。


<奨励賞>

タイトル:「JGN2を利用した教育用太陽電波望遠鏡システム」

提案者氏名:今 井 雅 文
提案者所属:高知工業高等専門学校 4年

<概 要>

私たちの一番身近な天体である太陽から来る電波についての学習が小中高校ではあまりなされていない。このシステムは、JGN2を通して、遠隔地に設置した太陽電波望遠鏡をハイビジョンカメラで見ながら制御し、リアルタイムに太陽電波を観測することで、太陽電波や電波望遠鏡の仕組みを学ぶことができるものである。

この太陽電波望遠鏡は、家庭用のBSアンテナを用いたもので、アンテナの方向をWebブラウザで遠隔制御し、太陽電波の記録を表示することにより、太陽電波を実際に受けていることを実感することができる。

図

<特 長>
  • 小中高生が実際に太陽電波望遠鏡を動かすことによって、太陽電波や電波望遠鏡について考える機会が生まれ、天文学に興味を持つ生徒を増やすことができると期待される。

  • JGN2を通して、高画質のハイビジョンカメラで太陽電波望遠鏡を見ることができるようになり、実際に自分で電波望遠鏡を制御しているような仮想現実を実現できる。また、この観測は光学望遠鏡と異なり、昼間で晴天であれば、季節に関係なくいつでも観測することができるので、学校での授業や実験に取り入れることが容易にできる。


<特別賞>

タイトル:「JGN2を融合利用した知的観光サービス」 

提案者氏名:田原美南、古瀬瑞穂、田原照平
提案者所属:奈良教育大学付属中学校 2年

<概 要>

  • JGN2の拠点と各県等の情報ハイウェイを接続して、観光データベースのインターフェースを作成しユーザ自らが情報を入れ込み、ネットワークを介して融合的に相互情報交換を行う。

  • さらに登録ユーザに対して、検索エンジンなどを利用し、リピータ観光客に有益な情報を提供する実験を行う。

  • また、手話などの情報手段用のデータベースも作成する。

    図

    <特 長>
    • ・ 本提案を活用すれば、観光客のリピータ率の向上を期待できる。また、観光客のお好み具合を検索し、四季における、観光地への案内情報も提案できる。

    • 観光客自らが見た観光スポットを、自ら登録できJGN2を利用して、画像、音声などの情報を必要に応じて提供する。

    • 手話などの障害者情報(バリアフリー情報)についても、地域の参加でより正確に情報追加提供が期待できる。