報道発表

実証実験参加機関名の表記に一部不正確な箇所がありました。お詫びして訂正します。


  • IPv6マルチキャスト技術によるハイビジョン放送を無線LAN技術で送受信!

  • 平成20年2月4日


独立行政法人情報通信研究機構(以下「NICT」という。理事長:宮原 秀夫。)は、平成20年2月5日〜2月28日にかけて、無線LANを活用したIPv6*1マルチキャスト*2技術に関する実証実験を行います。IPv6マルチキャスト技術に関する実証実験については、これまで過去4回、有線のみで構成されたネットワークで行ってきました。今回、初めて、無線ネットワークに適用した実証実験を実施して課題抽出を行い、ICT社会の基盤技術としての利用可能性を探求します。本実証実験では、NICTが運用・管理する研究開発テストベッドネットワーク「JGN2*3」を活用し、さっぽろ雪祭り大通り公園、沖縄・高知のプロ野球キャンプ地(名護・宜野湾・宜野座・安芸)と全国9か所の放送局(別紙2参照)とを、JGN2回線で相互接続し、放送実環境下でのハイビジョン*4映像による放送素材伝送を行います。

【背景】

 IPv6マルチキャスト技術は、光ファイバーなどの有線ネットワークにおいては実利用レベルにまで到達したといえます。特に、NICTが実施した放送利用型の実証実験では、放送局が必要とする高信頼性・安定性に着目し、単なる通信可能なレベルではなく、放送実環境において安定的に活用できるレベルまでの機能向上を確認しました。
 IPv6マルチキャスト技術は、一対多の伝送を行う放送環境のみならず、防災目的等で、多数のセンサー*5データの収集を行う場合など、大量の端末を必要とする場面においても有効であり、帯域を効率的に活用可能なマルチキャスト技術の応用範囲は非常に広く、今後の展開が期待されています。しかし、これまでは、その利用が有線ネットワークに限定されていたことから、地理的利用範囲の拡大にあたっては、それにかかる回線費用が上がるなど、面的な広がりを増大するうえでの課題とされていました。
 このような背景のもと、NICTは放送局と協力し、有線及び無線でネットワークを構築し、さっぽろ雪祭りとプロ野球キャンプの映像素材を活用したIPv6マルチキャスト技術の実証実験を行い、その技術的課題の抽出に取り組みます。

【本実証実験のポイント】

・無線LAN技術を用いたIPv6マルチキャストによるハイビジョン映像伝送の送受信に関する検証
 本実証実験では、参加する放送局全てにおいて地上波生放送で利用するハイビジョン映像伝送を有線ネットワークで行うとともに、無線ネットワークの伝送方式 IEEE802.11n*6の広帯域技術を活用した映像伝送も実施します。
 また、山陽放送(株)RSKにおいては、無線ネットワークで伝送した映像素材を放送実環境への適用例として、実際のTV放映に利用する予定です。これらの実験を通して、有線ネットワーク上での安定した伝送を確保するとともに、無線ネットワークに適用した場合の技術的課題を明らかにします。

【今後の展開】

 本実証実験を通じて、IPv6マルチキャスト技術を無線ネットワークと融合・調和させるための技術課題が明確化されることにより、ネットワークに接続するルーター等の機器あるいはセンサー等の各種端末への同技術応用が可能となります。そして、IPv6アプリケーションの利用シーン拡大とともに無線利用も増大し、次世代インターネット普及がより加速すると考えています。



< 広報 問い合わせ先 >
総合企画部 広報室
栗原 則幸
Tel:042-327-6923
Fax:042-327-7587
publicity@マークnict.go.jp
< 本実証実験に関する 問い合わせ先 >
連携研究部門 テストベッド推進グループ
豊田 麻子、梶川 重明
Tel:042-327-6006
Fax:042-327-5689
E-mail:jgn2center@マークjgn2.jp


別紙1

<用語解説>

*1 IPv6
Internet Protocol version 6の略。現在、普及しているIPv4はアドレス空間が32ビットで約43億個分のIPアドレスが識別できる。しかし、加速度的なインターネットの普及に伴い、アドレスの枯渇が問題になってきている。IPv6はこの問題を解決するために128ビットのアドレス空間を有し、同時にセキュリティ強化が実施されたインターネットプロトコル。

*2 マルチキャスト
1つの送信点から複数の受信点に同一内容のパケットを送信する場合に利用する技術。既存のネットワークであるIPv4でマルチキャストを実施しようとすると専用のネットワークを構築する必要があったが、IPv6ではネットワークの種別に依存しないマルチキャスト技術の確立を目指しており、これによってインターネットによるコンテンツ配信の技術が飛躍的に向上するものと期待される。

*3 JGN2
NICTが2004年4月から運用しているオープンな研究用の超高速・高機能研究開発テストベッドネットワーク。

*4 ハイビジョン
High Definition televisionの略。現在のテレビより走査線の数を増やして画質を向上させた次世代のテレビ方式の画像品質のこと。現在日本や北米で普及している NTSC方式は走査線が525本であるのに対して、ハイビジョンでは1125本又は1250本に増え、その分画質が向上する。

*5 センサー
防災情報に関して気象データ(雨量、風向、風速、気圧等)の数値を測定するデバイス。

*6 IEEE802.11n
100Mビット/秒のスループット(実効的なデータ伝送速度)可能な無線LAN規格。


別紙2



別紙3

実証実験参加機関

1.主催
・ NICT中国リサーチセンター
・ NICT大手町リサーチセンター
・ NICTつくばリサーチセンター

2.協力団体
・ 朝日放送 株式会社(ABC)
・ 株式会社スカイ・エー(スカイ・A)
・ 株式会社スペースビジョンネットワーク(GAORA)
・ 株式会社東京放送(TBS)
・ 株式会社中国放送(RCC)
・ 株式会社毎日放送(MBS)
・ 倉敷芸術科学大学
・ 山陽放送株式会社(RSK)
・ 北海道放送株式会社(HBC)
・ 琉球放送株式会社(RBC)

3.協賛団体
・ アイベックステクノロジー株式会社
・ アラクサラネットワークス株式会社
・ 池上通信機株式会社
・ NTTコミュニケーションズ株式会社
・ NTTスマートコネクト株式会社
・ 岡山県
・ 岡山県高度情報化推進協議会
・ 沖縄県
・ 沖縄県名護市
・ 沖縄県宜野座村
・ 沖縄通信ネットワーク株式会社(OTnet)
・ 沖縄県北部広域市町村圏事務組合
・ 株式会社アクタスソフトウェア
・ 株式会社オービス(OBIS)
・ 株式会社創業
・ 株式会社電通国際情報サービス
・ 株式会社日立国際電気
・ 株式会社日立製作所
・ 株式会社芙蓉ビデオエイジェンシー
・ 宜野湾ベイサイド情報センター(G-Wave)
・ クボテック株式会社
・ KDDI株式会社
・ 高知県
・ 高知県安芸市
・ サイバー関西プロジェクト(CKP)
・ シスコシステムズ合同会社
・ ジュニパーネットワークス株式会社
・ ディーリンクジャパン株式会社
・ 特定非営利法人 中国・四国インターネット協議会
・ 西日本電信電話株式会社
・ 日本電気株式会社
・ パンドウイットコーポレーション日本支社
・ 広島大学
・ 広島地域IPv6推進委員会
・ ファットウェア株式会社
・ 北海道総合通信網株式会社(HOTnet)
・ ローランド株式会社




別紙4

ハイビジョン映像伝送実験
映像信号を利用したTV放映スケジュール

○ 第59回さっぽろ雪まつり (2月5日(火)〜2月11日(月))
5日(火)のHBC・MBS・RSK*・RCC・RBCの夕方ワイド/ニュースの時間帯に放映する予定。
*本伝送実験参加放送局のうち、RSK(山陽放送)においては、無線ネットワークを利用して伝送された映像をリアルタイムで利用する予定。


○ プロ野球春季キャンプ  (2/1(金)〜3月上旬)
横浜(宜野湾)、日本ハム(名護)、阪神(宜野座・安芸)のキャンプ素材を各放送局に伝送し、適宜、ニュースの時間帯等に放映する予定。