報道発表
NICT・電気通信大・玉川大の合同チーム、ロボカップ世界大会で準優勝
~ 動作学習技術の機能実証として、@ホームリーグに参加 ~
2009年7月31日
独立行政法人情報通信研究機構(以下「NICT」という。理事長:宮原 秀夫)は、NICTで開発した動作学習技術の機能実証として、平成21年6月29日(月)から7月5日(日)まで、オーストリア・グラーツで行われた「
ロボカップ2009世界大会」に、電気通信大学(学長:梶谷 誠)、玉川大学(学長:小原 芳明)と合同チームを組んで参加し、家庭用ロボット部門の@ホームリーグにおいて準優勝いたしました。
【背景】 NICTでは、音声・言語処理を統合的に研究開発する「MASTARプロジェクト」を推進しています。
この度、これまで
MASTARプロジェクトで開発した、動作学習技術及び音声対話技術を、電気通信大学、玉川大学と家庭用ロボットの形で統合し、オーストリア・グラーツで開催されたロボカップ2009世界大会の家庭用ロボット部門である@ホームリーグに参加、準優勝いたしました(参加18チーム)。この競技では、通常の室内が再現された競技ステージで、ロボットが、物の探索、棚からユーザに言われたものを取ってくる、人と対話しながら場所を学習する等、日常生活に役立つ機能をどれだけ正確に行えるかを競いました。
【今回の成果】
1.
昨年構築したロボットeR@ser(イレイサー)は、腕がなかったため物体を運ぶことができなかったのに対し、今回構築したロボットDiGORO(ダイゴロウ)は2本の腕を持ったので、ペットボトルを棚から取り出すなど、より生活に役立つ作業が可能になりました。
2.
今回の大会では、新たに開発した動作学習技術をロボットに搭載しました。動作学習技術により、「磨く」「捨てる」などの動作をロボットに見せるだけで、ロボットがそれらの動作を学習します。ロボカップ2008において実証実験を行った、未登録語学習技術(物体の形状と名前をその場で学習する技術)と、今回開発した動作学習技術を合わせることで、プログラミングなどの専門スキルを必要とせずにロボットに物体・動作を教えることが可能になりました。また、ジェスチャ学習・認識技術により、認識してほしいジェスチャ(「バイバイ」など)を利用者がロボットに教えることができます。
3.
その他の主な機能として ⑴ ドリンクの説明など簡単な対話を行う ⑵ 人の顔の学習と認識
⑶ 場所の名前を覚えて案内 ⑷ 物の探索 などの機能を搭載しています。
【今後の展望】
NICTでは、人と機械が自然にコミュニケーションするために必要な言語・非言語処理技術の研究開発を推進し、より実用的な知識の学習機能の開発や、日常生活に近い環境における家庭用ロボットの実証実験に取り組んでいきます。
<広報 問い合わせ先>
総合企画部 広報室
報道担当 廣田 幸子
Tel :042-327-6923
FAX:042-327-7587
< 本件に関する 問い合わせ先>
知識創成コミュニケーション研究センター
MASTARプロジェクト
音声コミュニケーショングループ
杉浦 孔明 岩橋 直人 中村 哲
Tel :0774-95-1321
Fax:0774-95-1308

<用語・解説>
- ロボカップ2009世界大会
- ロボカップは「2050年までにサッカーのワールドチャンピオンに勝てる自律ロボットを作る」を合言葉に日本の研究者によって提唱され、競技を通じて生まれる科学技術を世界に還元することを目指しています。現在ではサッカー以外にも、災害現場でのロボットの応用を目指したレスキューリーグ、生活環境でのロボットの応用を目指した@ホームリーグなどが加わっています。ロボカップ2009世界大会の日本予選であるジャパンオープンは2009年5月に大阪で開催され、経済産業省、文部科学省をはじめとする多くの団体から後援を受けています。
- ロボカップ2009世界大会公式ホームページ(英語):http://www.robocup2009.org/
- ロボカップ2009ジャパンオープン公式ホームページ:http://www.robocup-japanopen.org/index.html
- MASTARプロジェクト
- NICTは、平成20年4月、内閣府の総合科学技術会議が選定した社会還元加速プロジェクト「言語の壁を乗り越える音声コミュニケーション技術の実現」の研究を開始し、併せて、機械翻訳、音声対話、言語資源などの音声・言語資源、処理を統合的に研究開発し、持続的な成果展開を推進する新しい枠組みであるMASTARプロジェクトを発足させました。
- (MASTAR: Multi-lingual Advanced Speech and Text reseARch)
補足資料
ロボカップ@ホームリーグは日常生活で人間を支援する自律ロボットの世界的競技で、人とコミュニケーションしながら、より多くの仕事を行う実用的なロボットの実現を目指しています。
チームの評価は、11個の規定タスクと、最終自由演技の合計スコアで行われます。
1. 参加したグループリスト(全9カ国、18チーム)
世界各国から選抜された18チームは以下のとおりです。
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| 日本 |
: |
eR@sers(NICT/電気通信大/玉川大) |
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| ドイツ |
: |
AllemaniACs(Aachen University),b-it-bots(Bonn-Rhein-Sieg University
of Applied Sciences),
homer@UniKoblenz(University of Koblenz-Landau),
NimbRo(University of Bonn),ToBI(Bielefeld University) |
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| オーストリア |
: |
FLEA(AMP Bau & Dataforce GmbH),Meta-Mechanics(Vienna University of Technology) |
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| 中国 |
: |
WrightEagle@Home(University of Science and Technology of China) |
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| イラン |
: |
MRL(Islamic Azad University Of Qazvin),Robocit(Ferdowsi University of Mashad),
Sourena(Amirkabir University of Technology) |
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| メキシコ |
: |
Makovito(INAOE),Pumas-Mexico(University of Mexico),
Nanisha
(Universidad Popular Autonoma del Estado de Puebla) |
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| スイス |
: |
RH4-Y(West Switzerland University of Applied Sciences) |
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| チリ |
: |
Homebreakers(Universidad de Chile) |
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| シンガポール |
: |
Robo-Erectus@Home(Singapore Polytechnic) |
2.最終順位
- 1位 b-it-bots(Bonn-Rhein-Sieg University of Applied Sciences・ドイツ)
- 2位 eR@sers(NICT/電気通信大/玉川大・日本)
- 3位 NimbRo(University of Bonn・ドイツ)
3. 今回のロボットの各グループの担当部分
NICTは、動作学習機能と音声対話機能を担当しました。
4. 会場の様子
5. 動作学習の様子
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