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4K超高精細映像による高臨場感遠隔手話講演会

〜 世界初、双方向4K超高精細映像伝送共有 〜

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2009年10月23日

独立行政法人情報通信研究機構(以下「NICT」という。理事長:宮原 秀夫)は、超臨場感コミュニケーション産学官フォーラム(以下「URCF」という。会長:原島 博)及び日本手話学会(会長:澁谷 智子)と共同で、10月31日(土)に、東京大学(駒場)と東京都市大学(横浜)を双方向4K超高精細映像接続を行い、高臨場感空間共有を実現し、日本手話表現の第一人者である米内山明宏氏による手話の遠隔講演会(実証実験)を開催いたします。

一般にも広く実験の様子を公開します。手話講演会を遠隔地から高臨場体験でき、手話と超臨場感技術に親しむことができますので、奮ってご参加下さい。

(講演会の詳細:補足資料参照)

背景

NICTは、これまでに4K超高精細映像基盤技術を世界に先駆けて完成しました。また、NICTはURCFと共同で、超高精細映像を含む超臨場感技術に関する実証実験を推進しています。

手話は、細かい顔の表情や指先の微細かつ高速な動きと、身体全体の動きを組み合わせて表現されます。従って、手話を遠隔に伝送するには、超臨場感技術、特に超高精細映像技術が適しています。

今回の成果

(1) 
NICTとURCFは、URCFメンバーが研究開発している4K超高精細映像技術を結集して、双方向4K超高精細映像空間共有システムを構築しました。
(2) 
通信回線には、NICTが運用する超高速ネットワークJGN2plusJを用いて、東京大学(駒場)と東京都市大学(横浜)を双方向超高速回線接続します。これらにより、高臨場感で双方向コミュニケーションが可能な遠隔手話講演会を実現します。

【今後の展開】

今回は、2次元の4K超高精細映像を用いて手話を伝送し実証実験を行いますが、今後さらに、3次元4K映像、8K映像(スーパーハイビジョン、4K映像の4倍の解像度)を用いた実証実験を積み上げて、手話分野において超高精細映像技術の有効性・実用性を実証する予定です。

補足資料

1.遠隔手話通信公開実証実験

日本手話学会は、10月31日(土)、11月1日(日)に東京大学駒場キャンパスで、日本手話学会第35回大会を開催します。

URCFと日本手話学会は共同で、米内山明宏氏の手話による基調講演会と、内藤一郎氏による筑波技術大学の情報保障技術についてのデモンストレーションを、東京都市大学および筑波技術大学に配信します。特に、東京大学(駒場)と東京都市大学とは、双方向4K超高精細映像伝送接続し、高臨場感映像環境共有を実現します。これは世界初の試みです。

  • 日時:2009年10月31日(土)10:15~12:30
     
  • 場所:
    (駒場会場)駒場Iキャンパス 情報教育棟4階遠隔講義室

    (筑波会場)筑波技術大学 天久保キャンパス 大学会館2階講堂

    (横浜会場)東京都市大学 横浜キャンパス 2号館
    情報メディアセンター2階 プレゼンテーションラボ
     
  • 参加費:
    (駒場会場)日本手話学会 第35回大会の参加費3,000円。

    (筑波会場、横浜会場)無料
     
  • お問い合わせ:日本手話学会事務局 JASL問い合わせ先

*本実証実験は、以下の研究の一環として実施します。
  • NICT委託研究「新世代ネットワークの構築に関する設計・評価手法の研究開発」
  • (独)科学技術振興機構 戦略的創造研究推進事業さきがけ「研究領域:情報環境と人、課題名:インタラクション理解に基づく調和的情報保障環境の構築」
*本実証実験システムには、総務省委託研究「次世代映像コンテンツ制作・流通支援技術の研究開発」の成果が活用されています。

2.米内山 明宏氏
米内山 明宏 氏
米内山 明宏氏

米内山 明宏氏(有限会社手話文化村 代表)は、日本手話表現の第一人者であり,また日本ろう者劇団を主宰されています。基調講演では、「境界線とコラボレーション」という演題で講演をしていただきます。

1952年
東京都杉並区生まれ.
東京教育大学(現:筑波大学).
附属聾学校専攻科美術科卒業.
1980年
日本ろう者劇団を設立.
1987年
文化庁芸術祭賞受賞.
現 在
手話文化村代表取締役社長.
映画監督,演出家,手話本執筆,
講演など活躍中.

3.プロジェクトメンバー

超臨場感コミュニケーション産学官フォーラムURCF
京都大学 医学部附属病院
東京都市大学 環境情報学部
国立情報学研究所
群馬県立県民健康科学大学 診療放射線学部
日本電信電話株式会社 未来ねっと研究所
株式会社計測技術研究所
朝日放送株式会社
ソニーPCL株式会社
独立行政法人情報通信研究機構 ユニバーサルメディア研究センター
 
日本手話学会
東京大学 情報基盤センター
筑波技術大学 産業技術学部

4.システム全体構成
システム全体構成

5.これまでの成果

[1] 7.22皆既日食を4K超高精細全天映像でライブ伝送上映(2009年6月12日)
~ 世界初、日食を遠隔地で高臨場体感・体験 ~
https://www.nict.go.jp/press/2009/06/12-3.html

[2] 世界初、超高精細ロボティクス技術を実現(2006年2月1日)

[3] 800万画素超高精細カメラ映像のライブ伝送実験に成功(2003年4月15日)

用語解説

4K

水平解像度が4,000画素であることを意味します。HD(ハイビジョン)映像は水平1,920×垂直1,080 画素です。従って、HD映像の4倍(4画面分)である水平3,840×垂直2,160画素を持つ映像を、水平解像度が3,840≒4K画素であることから、4K2K映像または4K映像と呼んでいます。一方、HD(ハイビジョン)映像は水平解像度が1,920≒2K画素であることから、2K映像とも呼ばれています。さらに、4K映像の4倍の解像度(水平7,680×垂直4,320画素)を持つ映像は、8K映像またはスーパーハイビジョンと呼ばれています。

URCF

超臨場感コミュニケーション産学官フォーラムURCF(Ultra-Realistic Communications Forum)は、総務省及びNICTが2007年3月に設立した産学官連携組織です。あたかも、その場にいるかのような環境・感覚を提示する超臨場感コミュニケーション技術、すなわち、超高精細・立体映像、高臨場感音場再生、触覚・嗅覚を含めた五感通信などを実現するために、関係する研究者・事業者・利用者等が広く参集し、情報交換や異文化交流を行いながら、産学官で連携して研究開発・実証実験・標準化等を効果的に推進しています。

JGN2plus

NICTが運用する超高速・高機能研究開発テストベッドネットワーク。JGN(Japan Gigabit Network)からJGN2へと発展し、平成20年4月よりJGN2plusとして運営されている。全国59のアクセスポイントのほか、米国、タイ、シンガポールなどへの超高速ネットワーク実験環境を提供しています。


本件に関する 問い合わせ先

ユニバーサルメディア研究センター
推進室
荒川 佳樹

Tel:0774-98-6917
Fax:0774-98-6955
E-mail:

取材依頼及び広報 問い合わせ先

総合企画部 広報室
報道担当 廣田 幸子

Tel.042-327-6923
Fax.042-327-7587
E-mail: