報道発表
数値標高モデルによるハイチ地震(仮称)の
震度分布推定及び防災関係機関へのデータ提供について
2010年1月15日
独立行政法人情報通信研究機構(以下「NICT」という。理事長:宮原 秀夫)は、総務省消防庁消防大学校消防研究センター(以下「消防研」という。)と共同で、人工衛星等により全地球的に予め取得されている数値標高モデル(Digital Elevation Model: 以下「DEM」と言う。)を用いて、地震発生時に被害分布を推定する研究を進めています。
その成果を用いて、2010年1月13日午前6時53分(日本時間)にカリブ海ハイチ共和国において発生した地震について緊急分析を行うとともに、得られた震度分布推定結果を救援活動に役立てていただくため、我が国の国際消防救助隊の派遣を担当する総務省消防庁に提供いたしました。
本技術の開発は、現地から被害情報が十分に届かない段階でも、被害分布を迅速に推定し、被害が大きいと推定される地域に対して、重点的に救助隊等をいち早く派遣する際の目安として役立ちます。
【背景】
地震時に被害の程度に応じて救助隊等を派遣する際には、何らかの方法で被害の状況を迅速に把握する必要があります。
そのため、NICTは消防研と共同で、2008年度から人工衛星等により取得したDEMを用いて、地盤増幅度を推定し、それを元に震度分布を推定する手法の研究を進めています。
【手法】
DEMは、人工衛星等により取得した地表の標高データです。標高データから、台地、低地、山地などの地形分類を行い、さらにその地形分類をもとに地盤増幅度を推定します。地盤増幅度に、震源情報(位置、深さ、マグニチュード等)を与えると、震度分布が推定できます(図1)。DEMからいかに必要な地形情報を分類するか、並びに地形分類から地盤増幅度をいかに精度よく推定するかが、本研究でのテーマであり、非常に重要なこととなります。
図1 DEMから震度分布を推定するプロセス(中国四川省地震の例)
【分析結果】
震度分布推定結果を図2に示します。赤色が濃い領域ほど震度が大きかったと推定された地域です。アメリカ地質調査所(以下「USGS」という)から発表されている体感震度の分布図(図3)によると、例えば、ハイチの北海岸(図3矢印)は震源から遠く離れているにもかかわらず大きく揺れたことが示されています。一方、我々の推定結果における同じ場所(図2矢印)にも色の濃い地域が現れていることから、今回の推定結果と実際の震度が概ね対応しています。
さらに、高震度域として推定されているにもかかわらず、現地から被害情報が届いていない地域(例えば首都の北側等)については、被害が大きく情報が途絶している可能性が推測されます。
なお、今回の震度分布の推定では、DEMとして米国航空宇宙局(NASA)がスペースシャトルにより取得し公開されているハイチ近辺の立体地形データを、震源情報は、USGSが発表した点震源の情報をそれぞれ用いています。
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| 図2 我々の手法による震度分布推定結果 |
図3 体感震度の分布図 |
| 拡大図 |
(USGSのWebページより引用) |
【今後の予定】
今後は、推定精度の向上を図ると共に、推定結果をWINDS等の技術試験衛星経由で被災国に直接伝送して、現地政府による救援活動に役立てていただくための研究も推進していきます。
最後に、本地震における犠牲者の方々に、謹んで哀悼の意を表します。被災地の一日も早い復興を祈念いたします。
< 取材依頼及び広報 問い合わせ先 >
総合企画部 広報室
報道担当 廣田 幸子
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Fax: 042-327-7587
< 本件に関する問い合わせ先 >
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鄭 炳表、滝澤 修
Tel : 042-327-7461
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