広域コグニティブ無線の実証実験に向けた参加者募集を開始

NICTは、電波利用状況に応じて地域全体で最適なインターネット接続を選択できる広域コグニティブ無線テストベッドを構築しました。このテストベッドでは、一般から実験参加者を募集して実験にご協力頂き、将来の無線通信システム実現に向けた社会実証実験を行います。実験参加者は、インターネット通信を利用できるだけでなく、将来の無線システム実現に向けた研究開発の過程に参加し、限りある電波資源の有効利用の研究に貢献して頂くことができます。NICT は、テストベッドの運用を行いながら、コグニティブ無線技術に基づく様々な制御方式を適用し、その効果を検証していきます。本実験で取得したデータは、学会等を通じて公開するだけではなく、必要に応じて大学等の研究機関と共同研究を行うことにより、制御方式等の研究開発の促進に役立てることが可能なオープンワイヤレステストベッド運用のために活用していきます。

平成22年9月からのテストベッド正式運用に先立ち、実験参加者の募集を開始します。

ご参考：
平成22年4月27日 報道資料「コグニティブ無線システムの広域実証実験に向けて藤沢市産業振興財団と共同研究契約を締結 ～ 500台のコグニティブ無線ルータを用いた市町村規模の電波資源選択制御 ～」

実験内容：
参加者は、藤沢市・茅ヶ崎市周辺に設置されたコグニティブ無線ルータに無線LANで接続し、無料でインターネット通信を行って頂くことが可能です。(アクセスエリアは下記Webページでご確認頂けます。)

実験期間：
平成22年9月1日（水）～ 平成24年3月31日（土）予定
※ただし、実験の都合により実験期間を変更する可能性があります。

登録方法：
以下のURLにアクセスして参加登録のリンクから、参加申込をし、IDとパスワードを取得してください。取得したIDとパスワードを用いてテストベッドに接続することで、インターネット通信が行えます。Webページにはいくつかの端末について設定方法を記載していますので、ご参照ください。http://cognitive.nict.go.jp/

費 用：
参加費用・通信費用は無料でご参加頂けます。
（実験参加者には、パソコンや携帯情報端末など、ご自分の無線LAN対応端末をご用意頂きます。）
＊ なお、実験の参加者には、実験に関するフィードバックとしてご意見を募ることもございますので、その旨ご了承ください。

コグニティブ無線技術は、無線機が周囲の電波環境を認識し、その状況に応じて、他のシステムに干渉を与えることなく無線資源を使用して、利用者が所望の通信を行えるように、基地局や端末を再構築して無線通信を行う技術です。

コグニティブ無線ルータは、コグニティブ無線技術を複数の無線システムに接続可能な無線ルータに応用し、無線ネットワークと端末との無線接続において異なる無線システムにより中継して、利用者や無線ネットワーク運用者(事業者)にとって最適な選択を行う通信を提供する機器です。