宇宙光通信地上局
宇宙光通信地上局とは

 21世紀の今、宇宙通信は日常生活にとって不可欠な存在となり、東日本大震災のような大災害時には、重要なバックアップ通信としての重要な役割を果たしています。しかしながら、通信衛星を利用した通信容量の需要は年々増大する一途です。

 宇宙光通信は、大容量データ伝送が可能であり、かつ、小型軽量、干渉がないなどのメリットから宇宙通信の主役として注目されています。NICTでは、郵政省 電波研究所時代の1970年代より研究を続けており、NASA(米国)、ESA(欧州各国)、DLR(ドイツ)等、各国の宇宙機関も、しのぎをけずって研究開発を続けています。

 こうした世界の趨勢に歩調を合わせ、国際的に最先端の光通信研究を行っていく目的で、国の中心的な施設となるべく、1988年、「宇宙光通信地上センター」は設立されました。
宇宙光通信地上センター望遠鏡は、主鏡の口径が1.5mと日本国内でに設置されている望遠鏡としては当時2番目の大きさでした。現在(2013年)でも、5番目の大きさです。
特にこの望遠鏡は鏡筒が短く高速で回転できる構造になっているため、低高度を高速で移動する人工衛星も追尾することができ、 人工衛星を追尾できる望遠鏡としては、日本最大の望遠鏡です。

ここではこの望遠鏡を用いて、以下のようなレーザ光を使った人工衛星との光通信や宇宙からの微弱な光を集めて検出する計測技術の先端的な研究を行っています。

 

 ・ 人工衛星との光通信

 ・ 人工衛星の高精度位置測定、宇宙デブリの観測

 ・ 赤外天体(銀河等)のイメージリング、高空間分解能観測

 ・ レーザーレーダによる大気観測、地球観測衛星の反射器を用いた観測

 ・ 衛星レーザ測距、測地・測位

 

現在までに、1994年に静止軌道衛星(きく6号、ETS-VI)、および、2006年に低軌道衛星(きらり、OICETS)とこの光通信地上局との間にて世界初となる通信実験に成功しています。

telescope

1988.3 建設

(Contraves社製、現L-3 Communications Brasher社)
多目的、多焦点設計
(4焦点、約10ポート観測装置が切り替えで使用可能) 
衛星追尾,レーザ送信機能を持つ望遠鏡では国内で最大規模 
高速(LEO追尾)数秒角レベルのポインテイングジッタ

 

 

 

 

 

 

 

 

telescope

レーザ光源:Diode pumped Nd:YVO4第2高調波 
波長:532nm 
出力:5W(CW)
1.5m主鏡でのビームサイズ: 60cm程度 
ビーム広がり角: 約190μラジアン(半値全幅) 


レーザ装置はクーデ室内 にある光学ベンチに設置

 

 

沿 革

1988年3月 1.5m望遠鏡建設
1993年3月 観測準備室・仮眠室棟増築
1994年3月 指向・追尾高精度化、衛星追尾機能の強化等の望遠鏡改造
1994年3月 航空機監視レーダの設置
1994年8月 主鏡再コーティング
1996年3月 先端光技術研究センター実験棟増築
1999年3月 望遠鏡制御装置の強化等改造
2001年3月 衛星レーザ測距装置の更新(キーストンSLRレーザ導入)
2004年3月 2ミクロンmレーザレーダ光源設置
2005年8月 ドーム開閉シャッター部改修
2006年3月 NeLS10cm旧小型光ターミナル用小型ドーム設置