過去の研究開発と宇宙実証

Nels

NeLS Optical Terminal

NICTでは将来の衛星間光通信用に、波長1.5μm(アイセーフ波長)・高速(2.4Gbps)な伝送レートにより、500~3000km離れた衛星間通信をするための衛星搭載用光通信装置を研究開発しています。


衛星搭載用光通信装置では、相手衛星を捕捉し衛星の移動を追尾する機能と、レーザービームを使って情報を送受信する機能が必要であり、このような機能を持った光通信装置は、光アンテナ、粗捕捉追尾機構、内部光学部などから構成されています。


衛星筐体に光通信装置を搭載した例を下図(左)に、光通信装置主要部を下図(右)に示します。

サブシステム

 

GOLEM

光通信装置を用いた実験と結果


上記の光通信装置で、その性能を実証するために室内通信実験および

地上での屋外通信実験を実施しました。

【室内実験】

室内実験はNICT小金井本部の宇宙光通信地上センター東実験室にて実施。
2~5m離れて対向する光通信装置の一方を光アンテナ追尾シミュレータに搭載し、これを上下左右に移動させ、追尾機能の確認と2.5Gbpsの光通信機能の検証を行いました。



粗捕捉(ビーコン光)及び精捕捉(通信光)の両追尾機構が機能して十分なセンサ出力を得られ、固定光学部の光ファイバーポートより安定した通信光が連続出力されました。

これにより、当初の目的である移動させた送信アンテナから送出されたレーザ光を光通信実験装置により捕捉/追尾できることが確認され、開発した衛星搭載用光通信機器の捕捉追尾性能を実証することができました。



【屋外実験】





衛星間光通信実験装置をNiCT小金井本部にある宇宙光通信地上センター(以下、「小金井サイト」)に設置し、その通信の相手方である光通信装置(「副局」)を約4km離れたスカイタワー西東京(通称:田無タワー、高さ195m)の高さ115mのデッキ上に設置。

これらの間で2.4Gbps級の伝送速度によるEnd-to-Endの光空間通信を行い、将来の衛星間光通信用に試作した衛星間光通信実験装置の捕捉追尾性能、通信性能の地上実証を行ないました。

光通信回線を確立・保持し、衛星間光通信実験装置(主系)の捕捉追尾性能及び通信性能を実証します。



捕捉追尾性能 CASセンサによる制御機能は正常に動作することが確認できましたが、FPセンサによる制御機能の確認には至りませんでした。
(一方、副系光通信装置の捕捉追尾機能は正常に動作することを確認。)

通信性能 受光レベルが最大で-40dBmであり、BERを測定するに必要なレベルに届かず性能を確認することはできませんでした。

なお、別途500m程度離れた近距離のタワーとの実験は、-40dbm以上の入力レベルを得てBERを測定することができました。



【衛星折り返し実験】



光宇宙通信地上センター屋上プラットフォームに、小型化ジンバル、折り返し実験装置を格納した可搬ドームを載せ、光軸アライメント、地上測距等実施後、LEO衛星(あじさい、OICETS等)に対する、レーザ送信と反射光受信を行ないました。



実験結果



新ジンバルの衛星追尾誤差 Az=6度/s El=2度/s以内範囲において低速域2秒角RMS 高速域 10秒角RMS以下を実現。 
新ジンバルは可搬ドームに格納され、小金井サイトにおいて、恒星による軸キャリブレーション、「あじさい」の太陽反射の光学追尾に成功後、12月28日に地上測距CAL(田無タワーに置かれたCCR(逆反射器)など)の調整を行いました。 折り返し実験は1月26日の初リターン後、計4パスの日本の測地衛星「あじさい」からの反射光を受信しました。OICETS衛星については、レーザ照射許可が実験期間中に得られませんでした。