K5/VSSP32に残っている問題点と対処法(2008/1/24版)

32MHzサンプリングモードで生じる不具合

現象

直前のサンプリング周波数が32MHz以外の場合、 32MHzサンプリングデータの2フレーム以降にヘッダーのAUXフィールド不具合(但し修復可能) の発生する確率が高い(1bit×4chモード時は15〜40%)。 この不具合が発生したとき、1フレーム目のデータは必ず16ビット多くなっている。 2フレーム以降はデータ数は正常である。

対処法

1.事前に32MHzサンプリングモードで数秒走らせるとOK (monitは1MHzサンプリングなのでmonit後には例えば sampling 3 32 1 4 を実行する と良い)

または

2.失敗するのは1回だけで、その後の32MHzサンプリングは失敗しないので、最初にダミーの観測を行う

なお、失敗したデータもaux_recovプログラムを使って修復することができる。

狭帯域ビデオ信号入力で生じる不具合

現象

2MHz帯域のビデオ信号を入力した場合、サンプリング周波数が16MHz以上において、 0.3〜1%の確率でデータ収集に失敗する。

対処法

32MHzビデオ信号を入力する

読み出した時刻が時々異常値を示す

現象

サンプラーから時刻を読み出した際、低くない頻度で、読み出し値が異常となる

対処法

読み出した時刻が直前に読み出した時刻と比較して1秒以上離れた場合、 もう一度時刻を読み直す。この処置により、この不具合は解消される (autoobsはこの対処法を取り込み済み)

サンプリングデータの読み込みが異常に遅くなる

現象

monit 4 で表示させたときに、表示のレスポンスが異常に遅くなる。例えばモニター状態で 入力信号を変化(抜き差し)しても、そのレスポンスがすぐには現れない(数10秒遅れる)。 また、サンプリングの開始や終了に異常に時間がかかるようになります。

原因

その後の調査で、VSSP32をPCに接続している際に、VSSP32の電源のオフ/オンを行うとこの現象が 発生することが判明しました。

対処法

VSSP32の電源をオンしたままUSBケーブルの抜き差しを行う。これで大抵の場合復旧しますが、 それでも復旧しない場合は、 VSSP32の電源をオフ/オンした後、PCをリブートする。

AUTOOBS実行中にエラー
ioctl() time get failed : Protocol error
が発生して終了する

現象

AUTOOBS実行中にエラーioctl() time get failed : Protocol errorが発生して終了する

原因

VSSP32に時刻を読みに行ったときに生じるエラーです。2007年4月19日の試験観測時に初めて現象が現れました。

対処法

エラーでストップしにくくなるようプログラムを改修しました。

datachkでエラーが発生する(2007.10.20追加)

現象

datachkでデータチェックをすると以下のようなエラーが発生する

     FMT A/D CH  f(kHz)  TIME   seconds   # of bits
    VS32  1   4   16000 16:56:45  61005    64000000  
    VS32  1   4   16000 16:56:46  61006    64000000  
    VS32  1   4   16000 16:56:47  61007    64000000  
    VS32  1   4   16000 16:56:48  61008   128000256 NG # of bits Error
    VS32  1   4   16000 16:56:50  61010    64000000 TIME DISCON
    VS32  1   4   16000 16:56:51  61011   128000256 NG # of bits Error
    VS32  1   4   16000 16:56:53  61013    64000000 TIME DISCON
    VS32  1   4   16000 16:56:54  61014    64000000  
    VS32  1   4   16000 16:56:55  61015   128000256 NG # of bits Error
    VS32  1   4   16000 16:56:57  61017    64000000 TIME DISCON
    VS32  1   4   16000 16:56:58  61018    64000000  

原因

何らかの原因でヘッダー部分が部分的に壊れる(ビット反転などが起こる)ためにdatachkプログラムで正常な ヘッダーを検出することができないために生じます。2007年10月16日の地理院さんの観測データで この現象が発生しました。

対処法

データの抜けが無い場合はdata_recovプログラムでデータヘッダー部分の修復が可能です。
サンプラーの電源OFF/ONやUSBケーブルの抜き差しや交換で復旧する場合があります。

monitで読みとりエラー(エラーコード0)が発生する(2007.10.20追加)

現象

monitプログラムを実行するとデータ読みとりエラー(エラーコード0:ただしエラーコード0は正常を意味する)で 実行できない。samplingプログラムも同様に実行できない

原因

何らかの原因でサンプラーとホストPCが正常にインターフェースできていない。

対処法

サンプラーの電源OFF/ONやUSBケーブルの抜き差しでも復旧しない場合は、 USBケーブルの不具合が考えられます。USBケーブルの交換で復旧することがあります (NICTでは実際にUSBケーブルが原因と考えられる不具合がありました。USB1.0時代の 規格のケーブルか?)

時刻セットができない(2007.12.26追加)

現象

timesettkで時刻セットをしようとするとエラーが発生する。

原因

上記monitのエラー発生と似ています。何らかの原因でサンプラーとホストPCが正常にインターフェースできていない。

対処法

PC本体(マザーボード上)のUSB端子で相性の問題が発生しています。USB端子が2箇所ある場合は 別の端子を試して見てください。NICTの経験では拡張カードでのUSBインターフェースが不具合を 起こしにくいです。

CentOSで再起動後VSSP32用ドライバーがロードされない (2008.1.24追加)

現象

再起動後、signalcheckやtimesettkなどユーティリティを走らせるとエラーが発生する。lsmodコマンド (パスが通っていないときは /sbin/lsmod)で確認すると、VSSP32のドライバーであるutdsモジュールがロードされていない。

対処法

/etc/rc.local に以下の3行を追加して再起動して下さい。

      KERNVER=`uname -r`
      /sbin/insmod /lib/modules/$KERNVER/kernel/drivers/usb/misc/utds.ko
      chmod 666 /dev/utds0


更新日 2008年1月24日