K5/VSSPに生じている問題点と対処法(2007/03/29版)

古いK5/VSSPサンプラー(IP-VLBIボード)でデータヘッダー部が異常となる不具合が発生することがあります。

現象

datachkを用いてのデータチェックでヘッダーが検出できない。詳細にヘッダーデータの破損具合を調査したところ、 破損したヘッダーデータには以下に示される共通パターンが見られることが判明(ただしこれ以外のパターンの破損の可能性もあり)。

     正常ヘッダー          : FFFFFFFF 8Bxxxxxx  (xの部分はモード、時刻で変化)
     異常ヘッダーパターン1: FFFFFFxx 8BxxxxFF  (xの部分は不定)
     異常ヘッダーパターン2: FFFFxxxx 8Bxxxxxx  (xの部分は不定)
                   (注:ヘッダー64ビットを32ビット整数×2の16進数で表示)

対処法

data_recovプログラムを使ってヘッダーの修復を行います。

修復の原理は以下の通りです。
"FFFFFF?? 8B????FF"または"FFFF???? 8B??????"(?は任意)のパターンをサーチすることにより、 ヘッダー位置を検出し、後は、1秒分のデータ毎に正常なヘッダーで置きかえる。 データによってはファイルの最初がヘッダーでない場合もあり、 この場合に上記パターンのサーチにより最初のヘッダー位置を認識します。 なお、破損したヘッダーから時刻情報の復元は不可能であったため、最初のヘッダーにおける 時刻はユーザーが与えなくてはなりません。 こうして修復したデータはヘッダー以外の部分でもデータの並びが異常になっているようで、 以下の図のように、相関が遅延方向にスプリットし相関強度も落ちます。しかしながら、 メインピークのところで、バンド幅合成は可能です。

ヘッダーを修復したK5/VSSPデータの相関処理結果


更新日 2007年3月29日