2019年度VLBI懇談会シンポジウム「VLBIは国境を超える」

これまで日本の天文VLBI観測の中核だったVERA計画は成果をとりまとめる 段階に達している一方、VERA/JVN、野辺山、韓国、中国が参加するEAVNは ユーザーが増加しており、成果も出つつあります。イタリアとの共同実験 観測は、天文および測地・時刻伝送VLBIの両方で活発な研究が行われてい ます。大規模な国際共同研究であるEHTには日本のグループも貢献してブ ラックホールシャドウの撮影に成功しました。日本・台湾・韓国・中国の 共同研究で東アジアの230GHz VLBI実験観測も行われています。そしてVLBI に関連の深いSKAは建設開始が目前です。いままさに国際VLBI連携は新たな 研究の枠組みを提供しつつあるといえます。
研究テーマも古典的なAGNジェットとメーザー天体から、降着円盤、トラン ジェント天体、銀河系内ブラックホールなど広がり、さらに多波長での連 携によるマルチメッセンジャー天文学・時間領域天文学という新領域に展 開しており、VLBIを用いた研究は高分解能を生かした独自の地位を築きつ つあるといえるでしょう。
そこで2019年度VLBI懇談会シンポジウムでは「VLBIは国境を超える」と題 して、国際連携の中で新しい研究の枠組みを構築することを狙った議論を 集中的に行う予定です。これによってVLBIコミュニティの新しい研究テー マを描き出し、将来像を議論・共有することを目的とします。
例年通り、学生を対象とした、ベストポスター賞、ベスト口頭発表賞を設 け、学生の活発な発表を奨励します。研究発表する大学院生に対する旅費 補助を行います。

会場: 大妻女子大学 千代田キャンパス
講演会場 プロジェクタ(VPL-FHZ60)・スクリーン(SK-AF120W 120インチ(アスペクトフリー))
期日: 2019年11月23日(土祝)09:30−11月24日(日)17:30(予定),  学生V懇:11月25日(月)
講演: 口頭講演+ポスター講演    ポスター講演は48枚まで受付可能
参加費: 一般参加費1,000円、学生参加費500円(会場使用料)
懇親会: 一般参加費5,000円、学生参加費3,000円(有給学生は5,000円)(予定)
プログラム //astro.sci.yamaguchi-u.ac.jp/kenta/Vcon2019Program.pdf
参加・発表申込: //astro.sci.yamaguchi-u.ac.jp/kenta/vcon2019.html

※本シンポジウムは、国立天文台研究集会として採択されており、  研究集会経費の助成を受けています。