============================================================================ VLBI懇談会1999年度第1回役員会 議事録 期日   :1999年10月15日 13:30〜16:30 場所   :国立天文台(三鷹)応接室 参加者 :井口、岩田、藤沢、栗原、吉野、井上、川口、小林、石原、笹尾、面高 オブザーバ:小山(1999 シンポジウム世話人、書記、事務局長補佐) 欠席 :森本、渋谷、久慈、藤下、高橋 1.機関代表幹事の交代 人事異動に伴って国土地理院の機関代表幹事を大木氏から石原氏に変更する ことが報告され、承認された。 また、極地研究所の機関代表としてこれまで 土井氏が渋谷氏の代行を務めていたが、渋谷氏が南極越冬から帰国したので、 今後は渋谷氏が機関代表幹事として復帰することが報告された。 一方、宇宙科学研究所の代表幹事の小林氏は人事異動で国立天文台に 所属が変わったが、現在でもVSOPグループで宇宙科学研究所と密接に 関与しているので、幹事を交代するかどうかについては本人に一任する こととし、結局今期の任期中は交代しないこととなった。 2.各機関近況報告 国立天文台(笹尾) VERAは2000年度通常予算での要求は認められなかったが、1999年 度第二次補正案件として要求している。 10月中には大蔵省に要求が提出され ると思われるが、ぜひ通ってほしいと希望している。 VERA計画に向けて、 銀河面近傍での電波源のサーベイ観測をJnetによって100時間行った。  現在、処理が始まったところであるが、すでに5個の天体がVLBIで初めて 検出されるなど、観測は成功したようである。 国立天文台(川口) VERAのデジタル系や受信機の開発が進んでおり、通信総合研究所の電波暗室 を用いた試験観測を行うことを計画している。 3月には、水沢に受信機などを 持ち込んで、試験データを取得する。 NTTと共同で進めてきたOLIVE計画 はGALAXY計画へと発展しており、さらに第2期の共同研究によって現在の ネットワークが3〜4年維持できる可能性が見えつつある。 一方、KDDとの 間で、2.4Gbps高速データ通信網の利用と山口にある32mアンテナの 利用に関して共同研究の可能性を探っている。 国立天文台(井上) 通信に使用する電波から電波天文観測に必要な周波数帯を保護するために、野辺山 宇宙電波観測所に周波数保護委員会を昨年度から設置した。 日本国内にある 電波天文観測システムを把握するための調査を実施して、データの集計を行って いる。 近日中にまとめた結果を関係者に送るので、間違いがないかどうかチェ ックをお願いしたい。 通信総合研究所(吉野、小山) KSP4局における宇宙測地技術のコロケーションの特徴を生かすために、精密 な地上測量を行っている。 将来のITRF座標系構築に貢献するデータを提供 したい。 IVSの技術開発センターの活動の一環として、国内の関係者でワー キンググループをつくってVLBI標準インターフェース(VSI)の制定作業 を行ってきた。 10月中にはドラフトがほぼ固まると思われる。 現在、ギガ ビットVLBIシステムを用いた観測に集中して取り組んでおり、10月19日 にはKSPの小金井−鹿嶋基線を用いて測地VLBI実験を実施し、1月には 岐阜大学3m局と鹿島34m局との間で測地VLBI実験を行う予定である。 国土地理院(石原) つくば32m局の点検施行は10月いっぱいで完了する。 12月より、週1回のペースでCORE(地球回転測定のための連続VLBI 観測)の観測に参加する予定。 1999年度の補正予算案件として、沖縄と 南鳥島にVLBIアンテナを建設するという要求を行っている。 つくばにあるIGS点とVLBI基準点の間を地上測量で1mmの精度を達成 することを目標に、関係者で細かな検討を行っている。 鹿児島大学(面高) 6mアンテナは一時制御系に問題があったが、正常に復帰し、Jnetの 100時間観測にも参加した。 43GHzでの試験観測を10月18日の 週に予定している。 鹿島34m局に搭載する43GHzHEMT受信機の 設計を行っており、基本的な設計はほぼ終了した。 宇宙科学研究所(小林) VSOPは、2回目のAO(公募観測)による観測をほぼ終了し、先日3回目 のAOが締め切られた。 VSOPシンポジウムを開催する準備を進めている。 現在、衛星『はるか』の姿勢制御系に問題が発生し、観測を中断して復旧作業 を行っている。 少なくとも2週間は観測を中断するものと見られる。 JPL からDave Murphy 氏が半年間の予定で客員助教授として滞在しており、VSOP2 の基本仕様について検討を開始した。 64m局のXバンド受信機を冷却受信機に 更新し、システム雑音温度が約30Kにまで改善された。 現在、助手を1名 公募しており、今年中に選考される予定。 宇宙開発事業団(岩田) SELENEの開発は、6月で設計フェーズを終了し、7月から開発フェーズ に移った。 装置の重量を絞り込むことが現在の課題となっている。 SELENE の打ち上げは2003年の予定に変更はない。 また、並行してSELENEの 次期計画(SELENE2)の検討を行うため、ワーキンググループを設ける ことを準備している。 3月の次期月探査計画シンポジウムに参加した人には メールによる案内を送っているが、案内が来ていない人で情報を得たい場合は 連絡されたい。 3.VLBIシンポジウムの開催について 今年度のVLBIシンポジウムは、通信総研鹿島宇宙通信センターの研究本館で 実施することが提案され、承認された。 開催日程は1999年12月6日(月) 〜8日(水)とする。 ただし、7日(火)〜9日(木)に地球潮汐シンポジウム が開催されるので、プログラムの編成には配慮が必要。 主催をVLBI懇談会と し、URSI電波研連J分科会共催とする。 宇宙電波懇談会との共催についても 話題となったが、今回は宇宙電波懇談会とは独立にシンポジウムを開催する。 光結合によるリアルタイムVLBIを大きく取り上げることで、集録費の一部を 通信放送機構から援助できる可能性があること、VERAシンポジウムと合わせる ことの2点について今後検討する。 近日中に世話役が講演募集文について案を 作成し、役員会の承認を経てVLBI懇談会と宇宙電波懇談会のメーリングリスト に送信する。 4.役員選挙について 森本会長が今期の任期限りで会長を別の方に譲りたいという意向を持っている ことが昨年度の総会で紹介され、名誉会長として推薦することも含めて次回の 総会までに検討することになったことが確認された。 次期の会長については、 一般の幹事と同様に会員の互選(選挙)によって選出することとし、投票用紙には 昨年度の総会の確認事項について記載することになった。 事務局長については、小林氏(母体組織 NRO)に引き受けて頂くこになった。 会計監査委員は、それまで事務局を引き受けていた機関から選出することが 慣例となっているので、通信総合研究所から人選する。 機関代表幹事は、10月中を目処に各機関(学生代表については学生の間で) 適任者を人選し、事務局長に連絡をする。 岐阜大学に3mアンテナが設置される ので、岐阜大学からも機関代表幹事を選出することが提案され、承認された。 また、国立天文台の機関代表幹事を2名から1名に削減する案と、逆に通信総合 研究所から小金井と鹿島の代表を2名に増加させるという案が提案され、 観測局から代表者を選出することを重視して後者の案が採択された。 これにより、次期の幹事の数は2名増加する。 10月中に機関代表幹事候補を確定し、11月はじめに投票用紙を会員に郵送 し、11月いっぱいを投票期限とする計画線表で作業に取りかかる。 5.事務局報告 事務局から、1999年度の会計と会費納入状況について報告があった。 会費未納者の扱いについて議論となったが、当人からの退会の申し出がない限り 退会扱いとはせず、そのかわり集録の郵送をやめるなどの措置をとることと なった(従来通り)。 新人会員の加入促進を諮ることも申し合わせ事項として取り上げられた。 また、 添付した会費納入状況資料に誤りを発見した場合は、栗原・小山・篠塚まで連絡 して下さい。 6.その他 国際VLBI事業(IVS)の General Meeting がドイツの Koetzting で 開催されることが紹介され、日本のVLBIコミュニティの活動を積極的に アピールすることが提案された。 それに対し、通信総合研究所から2名、 国土地理院および国立天文台から1〜2名の参加が検討されていることが 紹介された。 ---------------------------------------------------------------------------