◆講演内容:

南海 史朗 氏 (パナソニック ヘルスケア(株)技術企画室 顧問) 「血糖センサの開発」

糖尿病の患者数は増加の一途を辿り、2007年の厚労省調査によると国内では 予備軍を含めて推定2,200万人に達し、世界では2025年に3億3,300万人になると 言われています。  今回ご紹介する血糖センサは、患者さんが家庭などで自分で血糖値(血液中 のぶどう糖濃度)を測定、管理するために使用されるものです。当初はバイオ 燃料電池の研究からスタートし、電池開発を断念した後、血糖センサへの応用 展開へと方向を修正し、電流値をもとに患者さんが簡単に血糖値を測定できる センサの開発を目指しました。  電池開発から実用化に至る13年間の経緯を中心に、測定原理、開発ポインに も触れながら悪戦苦闘の開発物語をご紹介し、併せて今後に対する想いをお話 します。

◆講演者略歴:

南海 史朗 氏 (パナソニック ヘルスケア(株)技術企画室 顧問)

1975年 旧松下電器産業(株)入社、同社中央研究所でリチウム電池の開発に従事。 並行して1977年より酵素電池系の研究をスタート。 1980年よりバイオセンサへの応用展開を進め、1991年末より血糖センサとして量 産開始。以後、本社R&D部門でバイオセンシングの技術開発を担当。 2011年1月に退職。引続きパナソニックヘルスケア(株)で医療技術開発を推進 中。