第3回 KARC コロキウムのご案内

第3回 KARC コロキウムは終了しました。ご参加ありがとうございました。


● 日時  2001年9月17日(月) 13:30〜15:00

● 会場  KARC第1研究棟2階 小会議室
       〒651-2492 神戸市西区岩岡町岩岡588-2

● 講演  「励起子逆系列発光による励起子分子波動関数の決定」

        徳永英司 氏  (東京大学理学部 未来開拓プロジェクト研究員)   

【概要】
  励起子ポラリトン、励起子分子研究のモデル物質であるCuCl結晶で、励起子分子から励起子励起状態(2s,3s,4s励起子)への極微弱な輻射遷移(励起子逆系列発光)を発見した。この遷移の存在は励起子分子波動関数が励起子基底状態の単純な直積と分子包絡関数では表せず、高次励起子成分をもつことを意味し、その強度比は分子波動関数解明のための重要な手がかりとなる。このとき、遷移の終状態は厳密には励起子ではなく光とカップルした励起子ポラリトン状態で、放射される光も結晶中では励起子ポラリトンである。つまり、分子から2つのポラリトンへの遷移過程の正確な理解なしにはこの現象の定量的解析は不可能である。我々は励起子逆系列発光の研究を通して、バイポラリトン描像に基づく正確な励起子分子の輻射緩和の理論を確立し、分子波動関数の解明に至ることができた。 (講演では専門分野外の方にも興味を持っていただけるように、研究の背景からできるだけわかりやすくお話ししたいと思います)

【講師略歴】
1987年3月 東京大学理学部物理学科卒業
1992年3月 東京大学大学院理学系研究科物理学専攻博士課程 修了(小林孝嘉研究室)
1992年4月 理化学研究所フロンティア研究員 
1992年5月−1995年12月 東京大学物性研究所 極限レーザー部門 助手(松岡正浩研究室)
1996年1月−2000年9月 科学技術振興事業団 舛本単一量子点プロジェクト 研究員 
2000年10月− 日本学術振興会未来開拓学術研究推進事業 研究員
     

●使用言語:日本語

●参加費:無料

●事前申し込み:不要

●担当者: 関西先端研究センター 関西管理グループ 中塚・石田