第4回 KARC コロキウムのご案内
第4回 KARC コロキウムは終了しました。ご参加ありがとうございました。
● 日時 2001年9月21日(金) 14:00〜15:30
● 会場 KARC第1研究棟2階 小会議室
〒651-2492 神戸市西区岩岡町岩岡588-2
● 講演 「切り替え写像系の計算能力」
佐藤 譲 氏 (理化学研究所 基礎科学特別研究員)
【概要】
非線形力学系の計算能力の上限について考察する。2種のbaker's mapを要素とする切り替え写像系(Switching Map System)を 用いてTuring機械と等価な計算モデルが与えられる。ここでbaker's mapの記号力学はテープ上の記号の読み書きやヘッドの移動といったTuring機械の 基本操作に対応する。一方要素としてHenon mapのような2次の非線形性を持つ非双曲写像を用いると、基本操作に記号力学的描像を与えることができなくなるため、 構成される力学系はnon-symbolicな計算を行うアナログ機械とみなせる。この力学系をGauss mapのようなbit-maskingを行う写像と共に用いると、 Turing機械を上回るNPやPSPACEの計算能力をもつ力学系を構成できる。この系は微小ノイズで計算過程が完全に破壊されるという意味で非常に不安定な 計算機構をもつ。このようなアナログ機械の高次元のflowへの埋め込みや、同様のモデルに基づく並列計算についても議論したい。
【講師略歴】
1995年3月 東京大学工学部計数工学科卒業
2000年3月 東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻博士課程 修了(池上高志研究室)
2000年4月 学術振興会特別研究員、Santa Fe Institute 滞在研究員
2001年4月− 理化学研究所基礎科学特別研究員