第6回 KARC コロキウムのご案内

第6回 KARC コロキウムは終了しました。ご参加ありがとうございました。


● 日時 : 2001年11月26日(月) 午後2時00分 - 4時30分

● 会場 : KARC第二研究棟3階 会議室
             〒651−2492 神戸市西区岩岡町岩岡588−2


● 講演 @:14時00分〜15時30分

「生物における形態形成と先行機能」 澤田 康次 (東北工業大学)

《講演要旨》

手動追随運動の精密な実験によってヒトの感覚?運動制御の新しい特徴を明らかにした。ある範囲の単一周波数のターゲット運動に対して手の運動が統計的に先行するだけではなく、周波数が突然変化した際のターゲットに対する手のトランジェント誤差は変化直前の位相がその周波数における平均先行位相に一致しているときに最小になることを実験的に明らかにした。これらの結果は、環境変化に比して遅いか同じ程度のヒトの感覚?行動制御系は、変化するターゲット運動に対するダイナミック誤差を極小にする先行位相制御方式を進化の過程で学習したことを示唆している。遅れとフィードフォワードを含むモデルが実験結果の主な特徴を再現することが示された。

《講師略歴》

(学歴)

1960 東京大学工学部応用物理学科卒業-
1962 東京大学大学院工学研究科電子工学専攻卒業
1966 ペンシルバニア大学物理学科博士課程修了Ph.D

(職歴)

1966-1968  ペンシルバニア大学Research Associate,
1968-1972  大阪大学理学部講師
1971-1972  Visiting Professor, Ecole Normale Superieure, Paris
1972-1973  東北大学電気通信研究所助教授
1973-2001  東北大学電気通信研究所教授
1986          Visiting professor, University of Pennsylvania and Haverford College,
1992          Visiting Professor, Ecole Normale Superieur, Paris,
1992-1994  電気通信研究所付属「超微細電子加工実験施設」長
1994-1996  電気通信研究所付属「超高密度・高速知能実験施設」長
1996- 2001 東北大学電気通信研究所長
2001-        東北工業大学教授

(所属学会)

・日本物理学会 
・電子情報通信学会 
・計測自動制御自動学会
・日本神経回路学会
・日本発生生物学会

(学協会等の役職)

・文部省所轄並びに国立大学附置研究研究所長会議会長(1999-2000)
・科学技術振興事業団「協調と制御」領域統括(2000-2005)
・電子情報通信学会東北支部長(1995-1996)
・宇都宮大学工学部外部評価委員(1998-1999)
・北海道大学電子科学研究所外部評価委員(1997-1998)
・社団法人日本神経回路学会理事(1997-)
・財団法人電気通信工学振興会理事(1996-2001)
・財団法人半導体研究振興会理事(1997-2001)
・財団法人三菱財団自然科学部門選考委員(2000-2005)
・日本学術振興会審議会専門委員脳研究推進小委員会(1997-1998)
・日本学術振興会特別研究員等審査会専門委員(2000-2002)
・東北原子力懇談会参与(1997-2001)

(受賞)

・学術功労勲章(フランス国政府)1999年受賞
・大川出版社賞 1994年受賞

(最近の国際会議役員)

・The Fifth International Conference on 「Neural Information Processing」(1998)
プログラム委員会副委員長
・The 2nd  R.I.E.C International Symposium on 「Design and Architecture of Information Processing Systems Based on The Brain Information Principles 」(1998) 実行委員長
・「Siエピタキシーとヘテロ構造」に関する国際合同会議組織委員(1998)
・「International Conference on Dynamical Aspects of Complex Systems from Cells to Brain」(2000) 実行委員長
・「International Conference on Biological Physics( ICBP2001)」生物物理国際会議運営委員

(学術誌の編集委員やアドバイザ)

・"Journal of Nonlinear Science" (Springer International) Editor-in-Chief(1991-   )
・東北大学出版会評議員(1996-2001)

(教育経験)

・全学教育科目: 一般物理学2単位
・学部教育:電磁気学2単位、量子力学2単位
・大学院教育科目:情報物理学2単位、熱・統計力学2単位

(著書)

・「ゆらぎ、カオス、フラクタル」武者利光,沢田康次 (日本評論社,1991年)
・「非平衡系の秩序と乱れ」沢田康次 (朝倉書店,1993年) 
・「Physics of The Living State」T.Musha and Y.Sawada(Ohmusha, IOS Press, 1994)
・「自己組織の科学」沢田康次(北森俊行,北村新三編,オーム社,1996)第1章


● 講演 A: 15時45分〜16時30分 ( +質疑応答 )

「ナノテクノロジーを用いたコンピュータの作成」ペパー・フェルディナンド (KARC 脳機能グループ)

《講演概要》

分子エレクトロニクスの素子でコンピュータを作成するには、コンピュータチップの大量生産可能で かつ高集積化に関する問題がないようなアーキテクチャーを要する。その一つとして期待されてい るコンピュータ・アーキテクチャが 「非同期セルオートマトン」である。これは、膨大な数のセルが規 則的に配列した構造を持つセルオートマトンを非同期的に動作させるという計算モデルである。各 セルは任意の時間において非常に単純な動作を行い、近傍にあるセルのみと通信ができる。当発 表では、非同期セルオートマトン型コンピュータを用いていかに効率の高い計算ができるかという方 法を示す。

《講師略歴》

昭和60年 (オランダ)デルフト工科大学コンピュータサイエンス修士課程修了
平成元年 デルフト工科大学大学院コンピュータサイエンス学部博士課程修了
平成2年 通信総合研究所関西先端研究センター 特別研究員
平成5年 〜現在   同上 正規職員
平成9年〜10年  UCSF, Keck Center for Integrative Neuroscience 客員ポスドク
平成11年〜現在   姫路工業大学工学部情報工学科 客員教授

● 使用言語: 日本語

● 参加費: 無料

● 事前申込み: 不要

● 担当者 : 関西先端研究センター ナノ機構グループ (益子・倉田)