第76回 KARC コロキウムのご案内

第76回 KARC コロキウムは中止となりました。


開催日時 2006年4月5日(水)  13:30〜15:30
開催場所 未来ICT研究センター 第2研究棟 3階 中会議室
講演 「複雑な化学反応系の計算論的モデルの設計法について」
講演者 ヒュージェス・ベルシーニ教授
(Universite Libre de Bruxelles / Director of the IRIDIA laboratory)
講演概要 星間空間や地球生命の初期進化に起きた多くの複雑な化学反応は実験室で再現するのが困難であり、可能な分子種や反応、系の動的振舞いを特定するのは甚だ難しい。この問題に対して計算論的方法はしばしば有効に働く。ここで提案する計算論的枠組みは、OOプログラム原理、およびKvasnickとKocaによって提案された反応ネットワーク生成のための形式的手法(シントンモデル)に基づくものである。これまで何人かがこれらの手法はスケーリング限界の問題、即ち生成される分子の種類数が反応に参加する原子数に応じて指数関数的に増大するという問題を指摘してきた。また、反応によって生成されうる分子構造に制約がないことから、異性体も等しく反応によって生成されてしまうという問題(標準化問題)も生じる。このような問題に対して我々は、これまでの方法の長所をあわせ持ち、星間空間や原始地球における反応のように反応係数が未知である場合においても有効に働く一つの異なる計算論的アプローチを取る。この方法は多数の反応経路を生成・探索することが可能であることから、より複雑な化学工学の問題を解析するための枠組みとしても利用可能である。講演ではこの新しい方法が00型計算(UMLと設計パターン)を用いていかにして変数の数を減らし、シミュレーションの操作性を向上させるかについて説明する。またシミュレーション結果として、星間空間における化学反応ネットワークの創出の様子をデモンストレーションする。
使用言語 英語
参加費 無料
担当者 情報通信研究機構 未来ICT研究センター
鈴木秀明