第109回KARCコロキウム開催報告
量子ICTグループの衛藤専攻研究員に量子情報通信におけるイオントラップ技術 と超伝導技術の関連に関して最近の動向をお話いただいた。イオン、 超伝導と もに量子情報ではそれぞれが重要な研究に用いられる物理系であるが、この二つ の利点を組み合わせて研究を更に先に進める努力が広く行われ 始めている。そ の一つが超伝導体を電極として動作するイオントラップで、常温動作の金属電極 で動作するトラップでは問題となる振動運動の加熱速度 が、一秒あたり2量子と 非常に低減される研究が行われており、大規模量子計算を実現する一つの技術と して期待されているようである。もう一つはイ オン量子ビットを超伝導量子 ビットへインタフェースする研究であり、電磁波の共振器を介在させた方法など が提案されており、量子メモリ、量子計算 などを異なる物理系の利点をあわせ たハイブリッドシステムとして量子ネットワークを実現する方法として期待され ている。講演では超伝導プロジェク トにおける超伝導量子ビット研究、量子ICT グループにおけるイオントラップ研究に関する情報交換・ディスカッションも行 われ、今後のセンターを 超えた連携研究のきっかけとなる有意義なコロキウム となった。
参加人数8名(内部8名、外部0名)