第115回KARCコロキウム開催報告


第115回KARCコロキウムの様子


プラズモニクス、メタマテリアルといったナノスケールの金属/誘電体構造を用いたナノフォトニクス応用に関してパデュー大学(Shalaev研究室)の石井氏に最新の研究成果を紹介して頂いた。プラズモニクス・メタマテリアル研究は、負の屈折率や、光の回折限界を打破するスーパーレンズといった通常の誘電体媒質中では不可能な光回折現象を実現できる系として、近年注目が高まっている。特に今回の講演においては、金属ナノスリットや金属/誘電体多層膜という比較的シンプルなプラズモニクス・メタマテリアル構造を活用することで、偏光方向により、集光と発散という両極端の回折特性を有するレンズや、液晶材料との組み合わで集光距離が可変のレンズ、さらには光の回折限界以下にビームを集光できるレンズについて、実証結果をご報告頂いた。講演後も、既存の光学素子に対するメリット・デメリットや、どのように現実的なアプリケーションと結び付けるかなどに関し、活発な議論が交わされた。

参加者10名(内部10名、外部0名)