第121回KARCコロキウム開催報告


第121回KARCコロキウムの様子


平成26年11月10日午後3時から TV会議室2において、オックスフォード大学のスコットワデル教授により、KARCコロキウムとして「記憶がひとつみつかった?」という講演をいただいた。ワデル教授は遺伝学を使った記憶研究の権威で、ショウジョウバエに記憶を促し、その記憶を担う神経回路の解析をおこなっている。ショウジョウバエに臭いと電気ショックあるいは臭いとエサを同時に与えると、ハエはその臭いが嫌いになったり好きになったりする。その報酬刺激がドーパミン神経細胞を介していることを、ワデル教授達のグループは以前から報告していた。そのドーパミン細胞の調節によって、ドーパミン神経細胞が支配している神経細胞の臭いに対する反応が実験の前後で変わるという「記憶痕跡」について、未発表である最新の成果について説明された。一般向けに簡単なところから示唆にとんだお話をしていただいたので、専門の遠い方々からも多数質問がなされ、大変盛況であった。近い分野の研究を行っている神戸大のグループも来聴し、講演後も長く質問を続けて議論が白熱した。また、TV会議システムでつないだCiNetからの来聴もあった。


参加人数14名 (内部9名、外部5名)