第140回KARCコロキウムのご案内


開催日時 令和2年1月14日(火) 14:00 〜 16:00
開催場所 未来ICT研究所 第2研究棟 3F 中会議室
講演 「細胞力」を高める?「微小管システムに注目した身心一体科学」から健康寿命を延ばす戦略を考える
講演者 国立大学法人東京農工大学 教授   跡見 順子 氏
講演概要 人間の「運動適応能力」の鍵分子を探して、分子シャペロン・αB-クリスタリンに出会った。 アルツハイマー病をはじめ高齢者の精神疾患の多くはコンフォメーション病である。即ち タンパク質のコンフォメーションの異常で細胞は分解できない凝集沈殿するタンパク質で 機能不全の細胞が増える。分子シャペロンの誘導を促すことは、コンフォメーション病の 予防戦略となる。αB-クリスタリンが含まれる低分子量分子シャペロンが健康寿命延伸に 重要であることはあきらかにされているが、そのメカニズムは分かっていない。私たちの 研究室ではαB-クリスタリンの基質としてチューブリン・微小管の研究を行ってきたので 研究の一端を紹介したい。微小管は自己組織化を具現するタンパク質システムであると 考えている。細胞のメカノバイオロジーは進んだが、人個体とつながっていない。人も 細胞もメカニカル応答する。健康戦略の中心はエアロビクスであるが、40歳から直線的に 増加する膝・腰関節症などは、運動の実施を困難にする。本セミナーでは、微小管を主とした 細胞骨格システムを範にして不安定な立位を常態とした人間の制御系を考える健康寿命延伸戦略を ご紹介したい。ぜひ議論をお願いしたい。なお、身心一体科学とは、見えない自分の細胞から成る 身体の生存戦略を理解して自分の生き方に反映させる科学である。
使用言語 日本語
参加費 無料
担当者 情報通信研究機構 未来ICT研究所
大岩 和弘 主管研