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AI研究開発推進ユニットについて

1. 設立の背景

近年、生成AIの急速な発展により、AI技術の適用範囲が飛躍的に拡大しています。特に、深層学習を活用した事前学習基盤の進化により、さまざまな分野でAIの導入が進んでいます。しかし、この技術革新に伴い、データの偏りや説明性の欠如、誤情報の拡散、労働市場への影響など、科学的・社会的な課題も顕在化しています。

こうした状況を踏まえ、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)は、AIに関する研究開発や情報収集・発信を一元的に担う組織として「AI研究開発推進ユニット」を設置しました。

AI研究開発推進ユニット
ユニット長 大岩 和弘

2. 目的と役割

AI 研究開発推進ユニットは、NICT が持つ研究資産を最大限に活用し、AI技術の発展と社会実装を加速することを目的としています。本ユニットの主な役割は以下のとおりです。

  • 政策的・科学技術的情報の集約と発信
  • 国内外の機関との協力促進
  • AI研究開発の横断的推進
    (研究所間の連携強化)
  • 特化型AI技術の研究開発推進
    (日本語処理、宇宙・気象データ解析など)

3. 組織体制

本ユニットは、総合企画室AI研究開発デザインイニシアティブの2室体制で運営されています。また、各研究所から上席研究員を兼務させ、経営企画部からもプラニングマネージャーを配置することで、異分野間の連携を促進する設計となっています。

4. 研究開発の重点領域

本ユニットは、NICTが独自に保有するデータや技術を活用し、以下の領域に注力しています。

  • バイオ・脳科学とAIの融合
    (バイオインフォマティクス、神経科学)
  • ネットワーク技術との統合
    (音声翻訳、多言語処理、ネットワーク制御)
  • 宇宙・気象データ解析
    (AI for Science の推進)
  • 特化型AIの開発
    (学習データ不足の克服)
  • 説明可能AIの研究
    (ベイズ推論・スパースコーディングの活用)

5. 取り組みと今後の展望

本ユニットは、機構内の異分野・異組織間の協働を促進し、AI 技術の新たな応用領域を開拓するため、SAIL(Synergetic AI Linkage Fund)プログラムを開始しました。このプログラムでは、

  • 機構内の異分野協力の促進
  • 国内外の多様な連携の強化
  • AIの安全性・倫理性に関する取り組み

を柱とし、従来の枠を超えた挑戦的な研究提案を支援しています。

また、今後は国内外のAI研究機関との連携を強化し、国際競争力の向上を目指すとともに、NICT が独自に保有する資産を活かした技術開発を推進していきます。AI 技術は、もはや社会に不可欠な要素となっています。AI研究開発推進ユニットは、NICTの持つ資産と知見を最大限に活用し、AI技術の発展と社会実装を加速するための中核的な役割を担っていきます。

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