複数のリモートセンシング観測による夏季の局地的大雨の形成過程の研究

佐野哲也, 佐藤晋介 - 土木学会論文集 B1 (水工学), 2018 - jstage.jst.go.jp
佐野哲也, 佐藤晋介
土木学会論文集 B1 (水工学), 2018jstage.jst.go.jp
抄録 局地的大雨の現況監視の高度化と形成過程の解明を目的として, 全地球測位航法衛星
システム (GNSS), ひまわり 8 号, X-バンドマルチパラメータレーダー, フェーズドアレイ気象レーダー
といった複数のリモートセンシング観測データを用いて, 夏季の大阪平野で発生する局地的大雨の
形成過程を調べた. 湿潤な環境場において, 南側山地からの雲の移流および平野上に発生した
積乱雲に伴って 12 個の孤立した降水域が形成された. それぞれの降水域の寿命は 17~ 103
分と大きな幅を持ち, 地上付近にもたらされた時間積算降雨量も 2.3~ 57.7 mm …
抄録
局地的大雨の現況監視の高度化と形成過程の解明を目的として, 全地球測位航法衛星システム (GNSS), ひまわり 8 号, X-バンドマルチパラメータレーダー, フェーズドアレイ気象レーダーといった複数のリモートセンシング観測データを用いて, 夏季の大阪平野で発生する局地的大雨の形成過程を調べた. 湿潤な環境場において, 南側山地からの雲の移流および平野上に発生した積乱雲に伴って 12 個の孤立した降水域が形成された. それぞれの降水域の寿命は 17~ 103 分と大きな幅を持ち, 地上付近にもたらされた時間積算降雨量も 2.3~ 57.7 mm と大きく異なっていた. 降水域の寿命については, その近傍の GNSS 可降水量の時間変化と関係性が見られた. そして, 高時間分解能の複数の観測データの時間変化に基づいた, 局地的大雨の発生ポテンシャルの推定と地上降雨発生の事前の検知の可能性が示唆された.
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