複数の無線伝送路を活用したハイブリッド映像伝送に関する研究

藤橋卓也, 大友伊織, 遠藤慶一, 廣田悠介… - 情報処理学会 …, 2018 - ipsj.ixsq.nii.ac.jp
藤橋卓也, 大友伊織, 遠藤慶一, 廣田悠介, 小林真也, 渡辺尚
情報処理学会論文誌, 2018ipsj.ixsq.nii.ac.jp
論文抄録 近年, 無線端末への高品質映像配信を実現する方法として, Long Term Evolution (LTE)
や Wi-Fi などの無線伝送路を映像伝送に複数同時利用する技術が注目を浴びている. 既存研究は,
階層映像符号化や Multiple Description Coding を用いて, 複数の無線伝送路を映像品質向上に
利用している. しかしながら, 無線端末の移動や電波伝搬環境の変化によって無線伝送路の品質が
変動した場合, ビット誤りの発生とともに映像品質の急激な劣化が生じる. 本研究では,
各無線端末が LTE 基地局および複数の Wi-Fi アクセスポイントから映像情報を受信できるとき …
論文抄録
近年, 無線端末への高品質映像配信を実現する方法として, Long Term Evolution (LTE) や Wi-Fi などの無線伝送路を映像伝送に複数同時利用する技術が注目を浴びている. 既存研究は, 階層映像符号化や Multiple Description Coding を用いて, 複数の無線伝送路を映像品質向上に利用している. しかしながら, 無線端末の移動や電波伝搬環境の変化によって無線伝送路の品質が変動した場合, ビット誤りの発生とともに映像品質の急激な劣化が生じる. 本研究では, 各無線端末が LTE 基地局および複数の Wi-Fi アクセスポイントから映像情報を受信できるとき, 各無線端末が映像受信に利用可能な無線伝送路数および, 各無線伝送路の品質に応じて高映像品質を達成する伝送手法を提案する. 提案手法では, デジタル映像符号化技術, 圧縮センシング, ニアアナログ変調を組み合わせて映像情報を伝送する. まず, デジタル映像符号化技術と LTE 基地局による伝送を組み合わせて, 無線端末にベースライン品質の映像を提供する. また, オリジナルの映像情報と圧縮後の映像情報から残余情報を取得した後, 圧縮センシング, ニアアナログ変調を組み合わせて複数の Wi-Fi アクセスポイントから送信することで, 受信可能な Wi-Fi チャネル数, 伝送路品質に応じた映像品質の向上を達成する. 性能評価から, LTE 基地局に加えて Wi-Fi アクセスポイントから映像情報を受信できるとき, その伝送路品質に応じて映像品質を向上できることが分かった. また, 無線端末が 3 台の Wi-Fi アクセスポイントから映像情報を受信できるとき, 映像品質を 8.9 dB 改善できることを明らかにした.
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