円周統計と長期的傾向変動を考慮した逐次ベイズフィルタによる位相アンラップ

梅原広明, 岡田真人, 成瀬康 - 電子情報通信学会論文誌 A, 2020 - search.ieice.org
梅原広明, 岡田真人, 成瀬康
電子情報通信学会論文誌 A, 2020search.ieice.org
長時間にわたる一方的な変動にも適用可能な高精度測位を実現させるために,
搬送波位相のアンラップ推定モデルを改良する. そのために, トレンド成分モデルを事前分布に導入
し, 円周統計に基づくゆう度関数と組み合わせた最大周辺事後確率推定による逐次ベイズフィルタを
構成した. ここで, 周辺事後確率分布については, 仮定するトレンド成分モデルの次数と等しい次元数
による確率分布を扱う. そして, 次数も最ゆう推定を行う. 人工データによる数値実験を行うにあたり,
確率変数の周辺化をする際の積分をモンテカルロフィルタ (パーティクルフィルタ) に仕立てた …
長時間にわたる一方的な変動にも適用可能な高精度測位を実現させるために,搬送波位相のアンラップ推定モデルを改良する.そのために,トレンド成分モデルを事前分布に導入し,円周統計に基づくゆう度関数と組み合わせた最大周辺事後確率推定による逐次ベイズフィルタを構成した.ここで,周辺事後確率分布については,仮定するトレンド成分モデルの次数と等しい次元数による確率分布を扱う.そして,次数も最ゆう推定を行う.人工データによる数値実験を行うにあたり,確率変数の周辺化をする際の積分をモンテカルロフィルタ(パーティクルフィルタ)に仕立てた.そして,人工データを生成する際に仮定したトレンド成分モデルの次数がほぼ正しく選択され,正しい次数でアンラップされた位相は他の次数による推定値に比べ推定精度が統計的に向上していた.したがって,傾向的変動にも対応する柔軟性を兼ね備えたノイズ低減位相アンラップ法が得られた.
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