電磁妨害波測定における APD 測定の不確かさに関する検討

塩田貞明, 山中幸雄, 松本泰, 後藤薫 - 電子情報通信学会論文誌 B, 2022 - search.ieice.org
塩田貞明, 山中幸雄, 松本泰, 後藤薫
電子情報通信学会論文誌 B, 2022search.ieice.org
振幅確率分布 (APD: Amplitude Probability Distribution) 測定は, 無線通信システムが電磁妨害
波の干渉を受けることによる通信品質の劣化と高い相関があることが知られている. そのため APD
測定は, 国際無線障害特別委員会 (CISPR: International Special Committee on Radio
Interference) の基本規格である CISPR16-1-1 において, 1GHz 超における EMI
(Electromagnetic Interference) 適合性試験に用いる妨害波測定用受信機に備えるべき測定機能
として規定されている. APD 測定は妨害波の統計量を評価する手法であるため …
振幅確率分布(APD:Amplitude Probability Distribution)測定は,無線通信システムが電磁妨害波の干渉を受けることによる通信品質の劣化と高い相関があることが知られている.そのためAPD測定は,国際無線障害特別委員会(CISPR:International Special Committee on Radio Interference)の基本規格であるCISPR16-1-1において,1GHz超におけるEMI(Electromagnetic Interference)適合性試験に用いる妨害波測定用受信機に備えるべき測定機能として規定されている.APD測定は妨害波の統計量を評価する手法であるため,より正確な測定値を得るためには十分に長い測定時間の設定が望ましいが,適合試験における測定の効率を考慮すれば困難である.現実的には,測定する妨害波の特性に応じて測定時間を適切に設定する必要があり,同時に,測定時間の設定は測定不確かさの大きな原因になると考えられる.また一般的に,妨害波測定における不確かさバジェットは被測定量である振幅の単位で表されるが,無次元量であるAPD測定の超過確率(測定時間内の振幅値に対する超過時間率)の測定不確かさの取扱いは明確になっていない.本論文では,統計的性質が既知の信号を用いて,APD測定の不確かさの評価を行うとともに,超過確率の測定不確かさの扱いについて検討する.
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