あらゆる社会経済活動の基盤となっている情報通信ネットワークは、私たちの日常生活において欠くことのできない重要なインフラとなっています。一方で、政府機関や企業を標的としたサイバー攻撃により多くの重要な機密情報が流出したり、個人のパソコンがコンピュータウイルスに感染してネットバンキングなどの利用で大きな損害を被るなど、情報通信ネットワークにおける脅威は社会的な問題になっており、サイバーセキュリティの一層の確保が喫緊の課題となっております。

国立研究開発法人情報通信研究機構（NICT）では、誰もが安心・安全に情報通信ネットワークを利用できるよう、サイバーセキュリティに関する研究開発を継続して実施しており、平成23年度から開始した中長期計画においても「ネットワークセキュリティ技術」として研究開発を進めて参りました。本年度は、その中長期計画期間の最終年度にあたります。

本シンポジウムでは、NICTが今中長期計画において実施してきたネットワークセキュリティ技術の研究開発の成果をまとめて報告するとともに、来年度より開始する次期中長期計画で実施予定の研究開発課題についても紹介し、今後NICTが推進すべきサイバーセキュリティ分野の研究開発の方向性について、ご出席のみなさまとの議論を通じてより明確化していきます。