ナノ電解法による有機分子の自己組織化と
     ナノワイヤの配置技術

長谷川裕之 情報通信研究機構 関西先端研究センター ナノ機構グル-プ
     〒 651-2401 神戸市西区岩岡町岩岡588-2, E-mail : hhase@nict.go.jp


1 はじめに
  次世代の大容量・超高速通信の基盤技術として半導体デバイスの小型化が求められており,様々な方面からナノデバイスの開発が行われている。これまでのシリコンテクノロジーによるアプローチに加え,有機材料を利用したデバイスが考案されている。有機デバイスの利点としては軽量・柔軟性や低コストプロセスなどがよく挙げられるが,実際は多くが蒸着などの高度な真空装置を必要とする上に,できた膜の配向性の悪さや粒界の影響が性能低下の原因となっている。一方でボトムアップテクノロジーとして,分子1個レベルでデバイスを作製する試みも行われているが,手軽に制御性良く分子を配置することが緊急課題である。このようなことから高性能なナノデバイスを効率良く配置する技術が求められている。