スプレージェット法 −装置開発とその応用−

篠原秀則、山田俊樹、瀧口義浩、益子信郎

非発揮性/熱分解性の試料分子を電気的に中性の状態のまま真空槽内部に分子線として導入する目的で、スプレージェット法と呼ばれる技術を開発した。この技術は非発揮性/熱分解性をもつ分子でも、溶媒さえ選べば試料溶液を準備することは可能であることが多いという発想に基づいている。つまり試料溶液を出発点として常圧下で試料溶液を噴霧し、得られたミスト粒子を従来気体で中性分子線を生成するのと同様にパルスノイズを用いて真空槽に導入する技術である。装置開発と改良点、さらに基板への分子堆積とレーザー分光の応用について紹介する。