NICT ナノ機能集積プロジェクト:Abstract

単一CdSe/ZnSナノ粒子において同時計測した発光寿命と2光子カスケード発光の量子効率の研究

Nao Hiroshige, Toshiyuki Ihara, Yoshihiko Kanemitsu


Abstract:

従来、ナノ粒子の2光子カスケード発光の量子効率は、発光の2次の光子相関を弱励起条件で計測することによって決定されてきた。今回我々は、発光の2次の光子相関と減衰曲線を同時に計測することにより、2光子カスケード発光の量子効率を、高密度励起条件でも決定できることを明らかにした。この技術を用いると、高密度励起条件で現れやすい粒子のイオン化が、2光子カスケード発光の量子効率に与える影響を明らかにできる。実験的に決定した量子効率の値を、2光子放出を構成する2つの光子が放出される寿命と比較した。ナノ粒子がイオン化した状況でも、2光子カスケード発光における輻射再結合レートが電子と正孔の数の積にほぼ比例することを明らかにした。


doi:10.1103/PhysRevB.95.245307