IoTの高度化・多様化に資するワイヤレスグリッド

無線機の協調動作により、エリア拡大、省電力動作、低遅延伝送等を実現する技術

プレスリリース

2015.12.17.
もずく養殖へのWi-SUN無線センサネットワークの適用実証に成功

特許

5105370号、5252644号、5546005号
6052567号、7441494号、7477847号

実証実験済

研究者より

私たちは、ワイヤレスグリッドに関連する民間企業・大学との共同研究や、国プロを含む各種プロジェクトの共同受託を想定した産学官連携を積極的に進めたいと考えています。本連携においては、当ユニットが構築する総合テストベッド環境を有効に活用した実証・評価等を想定しています。

オープンイノベーション推進本部 ソーシャルイノベーションユニット 総合テストベッド研究開発推進センター

概要

無線機が小さく・安く作られることで、これまで「ヒト」が使ってきたパソコン・スマホなどだけでなく、それ以外に「ヒト」の生活をとりまく、様々で膨大な数の「モノ」も通信しはじめる IoT (モノのインターネット)が広まっています。一方で、IoTでは、「ヒト」の場合には考えられない多様な動作が求められることがあり、適切な制御の実現が不可欠とされています。

私たちは、IoTに有効な無線技術として、複数の無線機が網状につながり協力動作する「ワイヤレスグリッド」の構想のもと、必要となる無線技術について研究開発、実証評価を行っています。結果、1000台以上もの多数の無線機で網構造をうまく構築・運用する技術や、無線機が電池で10年以上長持ちできるような省電力動作を実現する技術について、社会展開に資する実証に成功しています。


図:複数無線機の網状構造:ワイヤレスグリッド 左写真およびスクリーンショット:無線機間協調動作実証、右写真:無線端末:(左)センサ搭載型、(右)低遅延対応汎用型 写真:省電力動作実証:(左)漁業応用、(右)農業応用

提供内容・活用

ワイヤレスグリッドを形成する通信方式、無線機構成、網構造等は、将来の高度かつ多様なIoT要件に応じて、柔軟に拡張可能と考えられます。 私たちは、ワイヤレスグリッドの漁業・農業・工場等の幅広いIoT分野への応用を検討しながら、研究開発で得られた特許やノウハウを民間企業に技術移転したり、技術仕様をWi-SUN等の国際認証規格に反映させたりすることによる、研究開発成果の社会展開を重要視しています。現在は、ワイヤレスグリッドを実現する無線機のほか、用いられているプロトコルのソフトウエア等の提供が可能です。NICT総合テストベッドとの連携実証にも適用可能です。

図:複数無線機の網状構造:ワイヤレスグリッド 左写真およびスクリーンショット:無線機間協調動作実証、右写真:無線端末:(左)センサ搭載型、(右)低遅延対応汎用型 写真:省電力動作実証:(左)漁業応用、(右)農業応用

関連情報

文献:F. Kojima, “An Effective Network Topology Coexistence Scheme for the Low-Energy Wireless Grid Structures in the Green Communication Systems,” WPMC2023. (Best Paper Award 受賞)

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