
低コストで拡張性のある海上自動監視システム
人手を介さず不審船の接近を監視して登録先に自動的に通知します

特開
2022-122634

研究者より
本システムを密漁の被害を受けている海域に設置することで、民間や漁業関係者から通報を 行った場合に懸念される報復などの心配が軽減されます。実用化に向けて、企業や団体との共同研究や技術移転を希望します。また、カメラやレーダーなど別の技術と融合することによる性能向上への取り組みなども歓迎します。
サステナブルICTシステム研究室
概要
不審船の接近を電波や音波による取得情報に基づき検知して、登録した通知先に自動的に連絡するシステムを開発しました。電波の情報により海面の上下動をモニタリングするとともに、船のエンジンやスクリューが水中に発する音で、当該海域を日常的に航行する旅客船や貨物船であるかをAIにより判別します。
複数の要素の情報を統合し、それが不審船である可能性を評価して、可視化によりユーザーが状況を容易に認識できるようにしました。
また、一定の条件を満たすと、登録している連絡先に自動的に通知が届くため、当該海域を管轄する自治体や適切な機関に即時的に通報が行えます。

提供内容・活用
このシステムは、船舶が接近した際に生じる航跡波をブイで捕捉する技術と船舶が発する音紋を判別する技術とで構成され、設置場所でデータを取得し学習させることで、その海域に適応します。低価格な装置群で構成されていますので、導入コストを抑えられます。また、通知システムはサーバー・クライアント方式ですので、観測対象海域を後から増やせます。
複数の要素技術を組み合わせて実現しているため、個々の技術を別の用途に利用することも可能です。 NDAなどの契約の下で実証実験に使用したシステムをお貸しできます。



低コストで拡張性のある海上自動監視システム
人手を介さず不審船の接近を監視して登録先に自動的に通知します
関連情報
文献:西村竜一他、 “深層学習を用いた音紋による船種同定の試み”、信学技報、Vol. 118、no. 234、pp. 1-6、2018年10月