高性能有機電気光学(EO)ポリマー

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特徴・優位性

  • 無機誘電体や半導体と比較して、高速かつ高効率なデバイスを実現可能
  • 成膜性に優れ、微細加工が容易で他の材料や構造と組み合わせることが可能
  • 波長640 nmの可視光(赤色)での動作実証済

用途・応用分野

  • データセンター等の光インターコネクトへの応用
  • 自動運転車やドローン等のLiDARへの応用
  • 空間や水中での光無線通信への応用
  • 高精細3Dカメラシステムや3Dディスプレイシステムへの応用
試作済

概要

電気光学(EO)効果は、物質に電場を印加した時に屈折率が変化する現象で、光変調器等、光通信に広く使われています。有機EOポリマーは、現在使われている無機誘電体結晶や半導体に比べて高速性と効率の面で優れており(表1)、光変調器だけでなく様々なデバイスへの応用が期待されています。

これまで課題であった耐熱性の問題を解決し、実用的な光制御デバイス作製に向けた研究開発を進めています。また、電気光学ポリマーは成膜性に優れるとともに微細加工が容易であり、様々な材料や構造と組み合わせることが可能です。例えば、わずか100nm幅の半導体狭隙溝(スロット)導波路にEOポリマーを充填することが可能であり、この構造を用いた小型で高速・低消費電力の光変調器(図1)の実用化が期待されています。

本技術の一部は、すでに企業に技術移転しデバイス試作用の材料として販売されていますので([1]、[2])、是非ご試用ください。さらに、動作波長域の拡大や個々のデバイス応用(図1)に最適化したEOポリマーの開発も進めています。

この技術を応用した新規デバイス開発にご興味ある企業や団体との共同研究を希望します。(2025年6月19日更新)

表1 光制御に用いられる材料の比較
電気光学ポリマーの優位性を解説する表組。動作原理は、液晶が配向分極、ニオブ酸リチウムがイオン分極、シリコンがキャリアプラズマ、電気光学ポリマーが電子分極。屈折率変化は、液晶が大、ニオブ酸リチウムが中、シリコンは小で吸収損失大、電気光学ポリマーが中。速度は、液晶が遅くキロヘルツ、ニオブ酸リチウムやシリコンは速く数十ギガヘルツ、電気光学ポリマーは非常に速く数百ギガヘルツ。応用は、液晶がTVやプロジェクター、空間位相変調器、ニオブ酸リチウムが高速光変調器、シリコンが光インターコネクト、電気光学ポリマーが超高速化や低消費電力化
EOポリマーと導波路を重ねた光変調器の構造と、駆動電圧で光の出力をコントロールする光フェーズドアレイの仕組み
図1 EOポリマーデバイス

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