酸化ガリウムデバイス

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更新日:2026年6月18日

特徴・優位性

  • 高温・高放射線環境下における高い安定動作と信頼性
  • 冷却システムおよび遮蔽構造の簡素化による機器の小型・軽量化
  • 過酷な環境下での安定した高周波特性の維持
  • 融液成長法による低コストな単結晶大口径基板の製造可能性

用途・応用分野

  • 耐環境デバイス:宇宙、原子力、地下資源探索などの極限環境(高温、高放射線下)
  • 高温動作デバイス:航空機、eVTOL等の冷却系簡素化・小型軽量化
  • 高周波通信デバイス:過酷環境下での無線通信、基地局、レーダー
基礎実証済

概要

情報通信研究機構(NICT)では、世界に先駆けて酸化ガリウム(Ga2O3)を用いた半導体デバイスの実証を行い、その基盤技術を長年にわたりリードしてきました 。Ga2O3は、現在普及が進んでいる炭化シリコン(SiC)や窒化ガリウム(GaN)と比べてもさらに大きなバンドギャップを有する材料です。この優れた物性により、高温環境での動作のみならず、高エネルギー粒子が飛び交う放射線環境下においても、既存材料では維持が困難であった領域での安定動作と高い信頼性が期待されています。

優れた耐熱性により冷却システムの簡素化が期待されるとともに、高い耐放射線性能により、遮蔽構造を最小限に抑えつつ長期信頼性を確保可能なデバイス構造の検討が可能となります。これにより、宇宙探査機や人工衛星、原子力施設、地下資源探索など、従来デバイスでは維持が困難であった極限環境下での通信を支える高周波デバイス基盤技術の確立を目指しています。

あわせて、Ga2O3は高い絶縁破壊電界という優れた物性を有しており、超高耐圧領域でのパワースイッチング応用を通じて、電力変換時の損失低減といった省エネルギー化への貢献も期待されています。また、融液成長法による低コストな大口径基板の製造が可能という特質は、将来的な産業化・社会実装を見据えた際の大きな優位性となります。

開発した横型酸化ガリウム(β-Ga2O3)高周波MOSFETの外観写真。Feドープ半絶縁β酸化ガリウム基板上に、(AlGa1-x)2O3バックバリア層および酸化ガリウムチャネル層を有し、ソース・ドレインのオーミック電極とT字型ゲート電極が形成されたデバイス構造を示している。
開発した酸化ガリウム高周波トランジスタ
高周波MOSFETに用いられるT字型ゲート電極の断面観察像。ゲート絶縁膜上に形成されたT字型ゲート構造を示している。
高周波トランジスタのT型ゲート断面写真
酸化ガリウムデバイスの応用領域を示す概念図。中央に酸化ガリウム基板の写真を配置し、その周囲に、耐環境デバイス、高温動作デバイス、高周波通信デバイスの応用分野を示している。宇宙、原子力施設、地下環境、航空機、過酷環境下での無線通信などへの利用例が描かれている。
酸化ガリウムデバイスの応用領域

関連情報

担当部門

未来ICT研究所 小金井フロンティア研究センター グリーンICTデバイス研究室

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