災害でも切れにくい地域分散ネットワーク/NerveNet

容易に構築できて平時でも災害時でも使えます

NICTお知らせ

2022.12.23.

和歌山県白浜町がナーブネットの本格運用の開始

特許

5560478号、5633773号、5382805号
5464360号 他

社会実装

研究者より

用途に応じた高度化、IoTセンサやアプリケーションとの連携機能追加、使いやすさの改善を行っています。エッジ処理の分散化やそれらを結ぶネットワークに課題をお持ちの研究者、企業等との連携を希望します。

実利用自治体:和歌山県白浜町や宮崎県延岡市

ネットワーク研究所 レジリエントICT研究センター サステナブルICTシステム研究室

概要

NerveNetは、平時から利用できる耐災害性を備えたネットワークシステムです。既存システムの4つの脆弱性(通信/情報アクセス/制御/エネルギー)を改善し、レジリエンスを向上しています。
1. 障害箇所を高速に迂回して通信を維持
2. 各中継装置(ノード)がサーバ機能も持ちクラウド不要で一定のアプリケーション実行が可能
3. 自律分散かつ協調動作で全体停止リスクを低減
4. 省電力のため蓄電池と太陽光発電で給電可能

このほか、各ノードは光ファイバ/Wi-Fi/衛星など複数回線でメッシュ状に相互接続でき、Wi-FiやLPWAなどの各種無線を介して多様なデバイスを接続できる柔軟性と拡張性を有します。市販の汎用PCにNerveNetソフトウェアをインストールしてノードを構成でき、一つのネットワークを複数のグループで論理的に分離して利用できる仮想化機能、分散データベースや通信関連のコア機能、アプリケーションサーバ機能を有し、各ノードが連携動作するエッジコンピューティングプラットフォームとしても機能します。

※「Wi-Fi」は、Wi-Fi Allianceの登録商標です。

図:「安全性、柔軟性、拡張性」の概要と「システム構成」の概要
図:NerveNet装置設置イメージ

提供内容・活用

汎用PCにインストールしてNerveNetノードを構成できるソフトウェアが提供対象です。
・基礎自治体(市区町村)、大学キャンパスなど地域内での通信や情報共有(和歌山県白浜町や宮崎県延岡市では自然災害や障害に備えつつ平時から実利用中)
・通信環境に乏しい山間地、農地、離島、公園などの通信環境改善としての利用
・自律分散のエッジコンピューティングプラットフォームとして、IoT、ドローン、ロボットなどとの利用

関連情報

文献:M.INOUE, Y.OWADA, “NerveNet Architecture and Its Pilot Test in Shirahama for Resilient Social Infrastructure,” IEICE Trans. Com., Vol.E100.B, No. 9, pp. 1526-1537, Sep. 2017.

関連動画:NerveNet (YouTube NICT Channel)
お知らせ:宮崎県延岡市がナーブネットを活用した事業を開始

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