Hybrid-DTNで移動体のデータ収集効率が劇的に向上

モバイル網と車車間通信を組み合わせたアーキテクチャで超多数・大容量化に対応

特許

7215717号

実証実験中

研究者より

小規模な実証は済んでいますので、これからは都市などを対象とした大規模実証を考えています。ご興味がある、または実証実験にご協力頂ける企業様・研究者様は、ぜひご一報ください。また、本技術の活用にご興味がある企業様への、技術相談に応じることも可能です。

総合テストベッド研究開発推進センター
テストベッド研究開発運用室

概要

この技術は、自律分散処理技術を応用しデータ収集の効率面での課題解決を目指すものです。

たとえば、図1のようなコネクテッドカーを対象としたユースケースでは、一定の時間内に、必要なデータを各車から出来るだけ多くクラウド上に収集できることが重要です。とはいえ狭帯域のモバイル網しか利用できない地域や、モバイル通信可能エリアが十分に広くない地域でのデータ収集は、モバイル網に依存しない車車間通信が必須です。対策としてVDTN (Vehicular DTN) と呼ばれるデータ転送方式が数多く提案されてきましたが、いずれの方式も大容量のデータ収集を対象に十分な収集成功率を実現できず、実用的ではありませんでした。

 そこで私たちが提案するのが、新たなデータ収集アーキテクチャ「Hybrid DTN」です。Hybrid DTNはデータサイズに応じてモバイル網とVDTNを適応的に切り替えることによりデータ収集性能におけるあらゆるシチュエーションで飛躍的な性能向上をもたらします。

 2021年には、車両上で動作する車車間通信用の標準規格IEEE802.11pを用いた分散プラットフォームを開発しており、実車両を用いた実証実験を東京都小金井市のNICT本部敷地内で実施しました。

図1

提供内容・活用

当技術は、車両に留まらず、様々な移動体での効率的なデータ収集に活用することが可能です。性能評価グラフで示されているように、既存手法と比べデータ収集効率を劇的に向上させると共に、携帯網などのネットワークやシステム全体への負荷を低減させることが可能です。

関連情報

[文献]  Y. Teranishi, et al. , “Hybrid Cellular-DTN for Vehicle Volume Data Collection in Rural Areas”, IEEE COMPSAC 2019.

木全崇 他,“IEEE 802.11p規格を用いたHybrid DTNの実車実証”,情報処理学会DPS190.

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