観測データから高さ情報を取り出す自動解析技術

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特徴・優位性

  • 昼夜間・天候、噴煙の有無に関わらず地上をセンシング
  • 自動解析技術による速やかな高さ情報解析
  • 航空機搭載SAR(Pi-SAR2)の観測データを使って実証実験中

用途・応用分野

  • 土砂崩れの発生場所や流出量などの自然災害対策、災害時の状況把握
  • 建物の高さや密集具合など居住環境のモニタリング
  • 都市計画やインフラの健全性評価
実証実験中

概要

昼夜間・天候や噴煙の有無に関わらず地上の情報をリモートセンシング可能であるという特性のため、合成開口レーダー(SAR)にはなるべく速い解析結果の提示が求められます。SARで取得可能な情報の中でも特に高さデータを含む3次元情報については、自然災害の例でいえば、土砂崩れの発生場所の同定や土砂流出量の見積において、平時の例では、地図の生成やビル等の高さや密集具合といった居住環境のモニタリング分野で有用です。

しかしながら、SARデータには独特なノイズや画像歪みが含まれ、かつ一度に広大な範囲のデータが取得されることから、人の手による解析には困難や多大な労力がかかります。これらの問題を解決する手段の一つが自動解析技術です。

私たちは、SARの高さ観測データについて、構造物等の自動抽出、並びに高さ等の自動計測、干渉SAR観測の計測パラメータの自動推定技術、また東北大学との共同研究による高精度ピクセルマッチングをベースとした自動三次元復元手法の研究開発等を行っています。 (2025年6月19日更新)

実際の画像と、その計測後の高さを示す画像を並べた解説図
構造物等の自動抽出、並びに高さ等の自動計測として送電鉄塔を抽出した例です。
傾斜のある地面から、複数の参照点を候補として比較し、適した参照点を選ぶ模式図
参照点(GCP)候補を自動的に分類し、適したGCPのみを用いることで干渉SARの計測パラメータの推定精度を向上させます。
実際の撮影画像を2枚並べ、ずれ量の違いの具体例を確認。さらに高さを色分けをした画像との対応で、高さに応じたずれ量があることがわかる
高精度ピクセルマッチングをベースとした自動三次元復元手法。高さに応じたずれ量(黄色丸)の正確な計測がこの技術のポイントです。

※本研究の一部はJSPS科研費 JP19K04420の助成を受けたものです。

関連情報

担当部門

電磁波研究所 電磁波伝搬研究センター リモートセンシング研究室

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