観測データから高さ情報を取り出す自動解析技術
SARのデータから、建物等の自動測定・干渉パラメータ推定・高精度視差解析
紹介記事
日刊工業新聞2019.11.12
NICT先端研究/情通機構(109)自動情報抽出技術 居住・被災状況を把握
日刊工業新聞2019.11.12
NICT先端研究/情通機構(109)自動情報抽出技術 居住・被災状況を把握(https://www.nikkan.co.jp/articles/view/537749)
特願
2022-026542
特許
6421395号 特開2016-090361
研究者より
実証実験に一緒に取り組んでいただきたいので、データの解析についてある程度の技術 ・ 経験を有する方ですと助かります。ご自身の SAR データの高付加価値化をご検討の方どうぞご連絡ください。サンプルのSARデータを提供頂ければ、適用テスト可能です。データフォーマット変換等適用には相応の時間を要しますので、まずはご相談から。
概要
昼夜間・天候や噴煙の有無に関わらず地上の情報をリモートセンシング可能であるという特性のため、合成開口レーダー(SAR)にはなるべく速い解析結果の提示が求められます。SARで取得可能な情報の中でも特に高さデータを含む3次元情報については、自然災害の例でいえば、土砂崩れの発生場所の同定や土砂流出量の見積において、平時の例で言えば、地図の生成やビル等の高さや密集具合といった居住環境のモニタリングと言った分野で有用です。
しかしながら、SARデータには独特なノイズや画像歪みが含まれ、かつ一度に広大な範囲のデータが取得されることから、人の手による解析には困難や多大な労力がかかります。これらの問題を解決する手段の一つが自動解析技術です。
私たちは、SARの高さ観測データについて、構造物等の自動抽出、並びに高さ等の自動計測、干渉SAR観測の計測パラメータの自動推定技術、また東北大学との共同研究による高精度ピクセルマッチングをベースとした自動三次元復元手法の研究開発等を行っています。
提供内容・活用
主に開発・運用の航空機搭載SAR(Pi-SAR2)の観測データを使って実証実験を進めてきました。今後は、他の航空機搭載SARや衛星搭載SARといった分解能や周波数帯の異なる観測での実証を進めたいと考えています。
土砂崩れ発生初期フェーズにおける土砂流出量の推定、居住環境のモニタリング、及び精密な3次元マップの作製補助等へ活用されることが期待されます。
観測データから高さ情報を取り出す自動解析技術
SARのデータから、建物等の自動測定・干渉パラメータ推定・高精度視差解析
関連情報
<文献>
・Maruki, D., Sakai, S., Ito, K., Aoki, T., Uemoto, J., Uratsuka, S., 2015. Stereo radargrammetry
using airborne SAR images with parameter optimization, in: Proceedings of the 2015 IEEE 5th
Asia-Pacific Conference on Synthetic Aperture Radar, APSAR 2015. https://doi.org/10.1109/APSAR.2015.7306202
・Uemoto, J., Nadai, A., Kojima, S., Kobayashi, T., Umehara, T., Matsuoka, T., Uratsuka, S.,
Satake, M., 2018. Extraction and height estimation of artificial vertical structures based on the
wrapped interferometric phase difference within their layovers. ISPRS J. Photogramm. Remote Sens.
139, 14–29. https://doi.org/10.1016/j.isprsjprs.2018.02.018
・Uemoto, J., 2021. Refinement of interferometric SAR parameters using digital terrain model as an
external reference. ISPRS J. Photogramm. Remote Sens. 175, 34–43. https://doi.org/10.1016/j.isprsjprs.2021.02.017
・上本 純平, 児島 正一郎, 灘井 章嗣, 中川 勝広, クロストラック干渉SARデータセットの土砂崩れに関する解析, 情報通信研究機構研究報告, Vol. 65, No.1, pp.
57-62, 2019.
<特許>
特許第6421395号「SAR図からの立体地形図形成方法」
特開2016-090361 「SARインターフェログラムからの垂直構造の抽出方法」
特願2022-026542「計測パラメータ推定装置及びそのプログラム」
<NICTニュース他>
合成開口レーダによる標高計測, NICT NEWS 2018 No.3
高層ビルなどを自動的に認識して高度を自動計測 - SARインターフェログラムからの垂直構造の抽出方法-, NICT NEWS JUN 2017
NICT先端研究/情通機構(109)自動情報抽出技術 居住・被災状況を把握, 日刊工業新聞, https://www.nikkan.co.jp/articles/view/537749