
赤外線レーザーを用いた遠隔計測技術

特徴・優位性
- 独自の赤外線レーザー計測技術により、大気中の水蒸気量とその流れを高精度に計測可能
- 高精度に波長を制御できるシンプル設計のシードレーザー
- 従来の10倍以上の出力を持つ常温動作型の高出力パルスレーザー
用途・応用分野
- ゲリラ豪雨などの局地的な気象現象を、より早くより高い精度で予測
- 大気中の水蒸気量とその流れを監視し、環境変動の分析に利用

概要
甚大な災害を引き起こすゲリラ豪雨などの大気現象の信頼性の高い予測には大気中の正確な水蒸気の量とその流れの観測データが必要です。その課題を解決するため大気中の風と水蒸気を計測することができる差分吸収LiDAR(図1)の開発を進めています。
独自の2µm帯赤外線レーザー光の波長制御技術を用いたプロトタイプの差分吸収LiDARによる水蒸気量観測を実施し、その観測性能はラジオゾンデと同等であることを示しました(図2)。
現在、図3に示す差分吸収LiDARの各構成要素の安定化と低価格化のための開発を進めています。シンプルな設計でありながら、高精度に波長を制御できるシードレーザーを試作し、動作試験を実施中です(図3(a))。パルスレーザーには、入手性の高いツリウムファイバーレーザーを励起光源とした常温動作型の高出力パルスレーザーを採用し(図3(b))、従来の10倍以上の出力が得られることを確認しました。(2025年6月19日更新)





赤外線レーザーを用いた遠隔計測技術
関連情報
- 紹介動画:『NICTステーション ~リモートセンシング技術~』(NA上白石萌音)
- NICTニュース:2022 No.2 レーザー光で風と水蒸気を測るマルチパラメーターライダーの開発
- 特開:2022-127514
- 文献: Makoto Aoki and Hironori Iwai, "Dual-wavelength locking technique for coherent 2-µm differential absorption lidar applications," Appl. Opt. 60, 4259-4265 (2021).
- 紹介動画:『NICTステーション ~リモートセンシング技術~』(NA上白石萌音)(https://www.youtube.com/watch?v=2nkHIF5Lziw)
- NICTニュース:2022 No.2 レーザー光で風と水蒸気を測るマルチパラメーターライダーの開発(https://www.nict.go.jp/publication/shuppan/news/NICT_NEWS492/book/html5.html#page=9)
- 特開:2022-127514
- 文献: Makoto Aoki and Hironori Iwai, "Dual-wavelength locking technique for coherent 2-µm differential absorption lidar applications," Appl. Opt. 60, 4259-4265 (2021).
担当部門
電磁波研究所 電磁波伝搬研究センター リモートセンシング研究室
電磁波研究所 電磁波伝搬研究センター リモートセンシング研究室(https://rri.nict.go.jp/labo/res.html)