メタマテリアル電波散乱シート

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特徴・優位性

  • 複数方向からの5Gミリ波の電波を広角に散乱し、電波不達エリアを解消
  • 壁紙のように貼るだけ、電源不要
  • 設置位置の微調整なしで様々な無線伝搬環境に対応可能

用途・応用分野

  • 工場、オフィス、病院、ホテルなど、遮蔽物の多い屋内での5Gミリ波無線通信
実証実験中

概要

5G無線通信の無線通信品質の改善を目指して、電波の反射・散乱を制御できるメタマテリアル電波散乱シートの設計、室内電波伝搬測定の研究を行っています。

メタマテリアル電波散乱シートは、複数の方向から入射する電波を、通常の金属板に比べて広角に散乱する特徴があります。室内・工場等の天井や壁に貼り付ければ、遮蔽物や什器の配置によって陰になる電波不達エリアにも、電波を到達させることができます(図1)。基本構造は、薄い両面導体基板の片面の導体上に反射位相が0°と180°になる平面パターンの組み合わせを作成したもので、製造も容易です(図2)。

他の特定方向に電波を反射させる技術と異なり,メタマテリアル電波散乱シートは複数方向へ電波を広く散乱できるため、設置位置の微調整なしで様々な伝搬環境に対応できます。もちろん、電源不要です。 (2025年6月19日更新)

たとえば屋内において、遮蔽物に遮られローカル5Gなどの電波が直接届かない場所でも、壁にシートを貼ることで、広角な散乱波を届けられる
図1 メタマテリアル電波散乱シートによる無線通信品質の改善
シートの写真。180×180mm、厚み0.8mm、基板はFR4、両面銅箔、設計時の分割数は15。銅板に帯状の設計パターンが見られ、金属面は反射位相180度、メタマテリアル部分は反射位相0度
図2 メタマテリアル電波散乱シートの構造(28GHz帯)

関連情報

担当部門

電磁波研究所 電磁波標準センター 電磁環境研究室

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