「収差」による画像劣化を、高速・高精度・安価に補正

  • #計算補償光学
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特徴・優位性

  • 顕微鏡で微小な生物試料等を観察する際の光学収差によるボケ・ズレ・歪み等の画像劣化を高速・高精度かつ安価に改善する光学収差補正ソフトウエア
  • 特別なハードウェア不要、低コスト
  • 従来の計算科学的画像補正の手法より高速・高精度。計算量は1/10~1/100に削減
  • 撮影後の補正処理が可能で、既存の撮影データも補正可能

用途・応用分野

  • 医療や生物学、材料科学など、超解像顕微鏡や二光子顕微鏡を活用する分野において、構造等を精密に解析
実証実験中

概要

超解像顕微鏡や二光子顕微鏡によって微小な生物試料等を観察する際に、光の進路の乱れにより画像にボケ・ズレ・歪みが生じる「収差」という問題があり、正確な観察を行うことが困難でした。現在は、可変形鏡、波面センサ等の特別なハードウェアを用いて光学的に補正する方法が主流ですが、コストが高く、多くの光量と時間を要するという課題がありました。また、計算科学的に画像を補正する方法もありますが、処理時間と補正精度に難がありました。

そこで私たちは、新たな計算手法を発明し、高速・高精度で収差を補正するソフトウェアを開発しました。これにより、従来の計算手法と比較して、計算量を1/10~1/100に減らすことに成功し、高速かつ安価に収差を補正することが可能となりました。製品化を目指した共同研究開発やソフトウェアのライセンスが可能です。画像の撮影後に補正処理を行うことが可能なので、お手持ちの画像データをお持ちいただければ、実際にその場でお試しいただくこともできます。超解像顕微鏡や二光子顕微鏡以外の顕微鏡にも応用可能です。(2025年6月19日更新)

本手法の原理
顕微鏡の画像の位相情報のデコンボリューションを、輝度計測を行いながら繰り返すことで、収差を補正する
本発明
特徴。波面センサと可変形鏡不要。通常の光量で゜可能。点光源不要。高速撮影可能、撮影後に処理できる。視野を分割して補正可能。顕微鏡関連ソフトウエアとして使え、従来の補償光学との組み合わせも可能
画像改善例:
構造化照明超解像顕微鏡画像
補正前と補正後の画像比較。補正後はにじみが減少し、輪郭がくっきりする

関連情報

  • 特許: PCT/JP2021/026265
  • 特開: 2024-030022

担当部門

未来ICT研究所 神戸フロンティア研究センター バイオICT研究室 生物情報プロジェクト

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