必要な音を必要な人に届ける、音声マルチスポット再生技術

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特徴・優位性

  • 聞こえる場所と聞こえない場所を自由に設定可能
  • 超音波を用いた指向性スピーカと比較して、マルチスポット再生スピーカは音質が良く、人や動物への健康被害がない
  • コンパクトな筐体

用途・応用分野

  • 大規模展示会のブースにおけるPR用音声の再生
  • 博物館や水族館等における解説音声の再生(多言語同時通訳技術との組合せも可能)
  • 工場や自動車内の特定エリアへのアナウンス
実証実験済

概要

音声マルチスポット再生技術は、必要な音を必要な人に届けることができる、音空間制御の新しい技術です。通常は全方向に広がる音波のうち、本技術では多数のスピーカを用いて不要な部分を打ち消して聞こえなくすることで、特定のエリアにだけ音を届けることができます(局所再生)。また、1つのエリアだけではなく、複数のエリアへ違う音声を出し分けることも可能です(マルチスポット再生)。従来、特定の人にだけ音声を届けたい場合にはイヤホンやヘッドホンが用いられてきましたが、本技術により特定エリアにのみ音声を流すことで、非接触で音声を届けることができます。本技術は、大規模展示会のブース、エンターテインメント施設、自動車での利用等に応用できると考えており、日本科学未来館及び海遊館における実証実験により、その有効性を確認しています。(2025年6月19日更新)

実際の写真。直径18センチの円柱の側面に、16チャネルのスピーカーが並ぶ。スピーカーはひとつの直径約3.2センチ
16チャネル円形スピーカーアレイ、北日本音響株式会社と共同開発
実際の写真。64のスピーカーが横一列に並び、棒状に近い形状
64チャネル直線スピーカーアレイ、北日本音響株式会社と共同開発
2枚の説明図。上は4チャネルで日本語、英語、韓国語、中国語を単純再生する様子。色が混ざるように、他のチャネルの言語が混ざって聞こえる。下は16チャネルのマルチスポット再生。4言語それぞれのスピーカーの前に立つと、その言語だけが聞こえ、各言語ごとに聞こえるエリアをくっきり分けることが可能
NICTの多言語同時通訳技術と組み合わせ、聞こえる言語をエリア分け
実際の写真。未来館の地球儀オブジェ横のエリアにスピーカーを設置
日本科学未来館での実証実験
海遊館の外観写真
海遊館での実証実験

関連情報

担当部門

ユニバーサルコミュニケーション研究所 先進的音声翻訳研究開発推進センター(ASTREC)

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