脳波計をかぶるだけで、「やる気」を計測・可視化

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特徴・優位性

  • ウェアラブル脳波計測技術×AI技術で学習中の「やる気」を可視化
  • 脳波から「やる気」を推定できるAIモデルを開発
  • 頭皮にジェルを塗布しないドライ電極を用いた、NICTが開発したコンパクトなウェアラブル脳波計を使用

用途・応用分野

  • 学習用デジタル教材やカリキュラムの開発
  • デジタル教材やその学習単元の評価指標
  • 単元・学習内容間で「やる気」の変動計測
  • やる気に応じた適応型デジタル学習教材
実証実験中

概要

本技術は、極めて簡便な脳波計測によって、学習に対する「やる気」の度合いを可視化するものです。

検証実験では、研究室で開発した「かぶるだけ」で装着できるウェアラブル脳波計を用い、デジタル教材による学習中の脳波を計測しました。学習者は教材の問題に解答し、正解・不正解のフィードバックを受けます。その際に観測されるFRN(フィードバック関連陰性電位)やP300と呼ばれる脳波反応の大きさと、「成績目標を達成したい」というやる気の程度との間に相関関係があることを確認しました。 この結果に基づき、デジタル教材で学習中の脳波反応から「やる気」の度合いを定量的に計測・可視化できます。現在は、これらの脳反応から「やる気」の程度を推定するAI技術の開発も進めています。

この技術は、学習者の「やる気」を喚起することを目指した学習用デジタル教材やカリキュラムの開発において、評価指標として活用することが可能です。さらに、学習者一人ひとりの「やる気」に応じて、個別に最適化された学習を提供するデジタル教材への応用も期待されています。たとえば、オンライン学習や自習環境において、教師に代わり、学習者ごとの「やる気」を引き出す最適な目標や難易度を自動で設定したり、その時々の「やる気」に応じて学習単元を自動的に調整するデジタル教材の実現が可能です。

本技術に基づく製品化を目指し、デジタル教材や学習支援システムの共同研究開発、ならびに知的財産のライセンス提供も行っています。(2025年6月19日更新)

特徴は、頭皮にジェルを塗らずに使用できること、ヘッドギア型で誰の頭にもフィットさせやすいこと、コンパクトであること
研究室で開発したウェアラブル脳波計の特徴
問題に解答し、正解か不正解かを確認する際の脳波の変化のグラフ。正解のときと不正解のときの差や、P300と呼ばれる脳波の反応を解析することで、「やる気」がどの程度維持できているかを数値化できる
学習中の脳波計測から「やる気」を計測・可視化

関連情報

担当部門

未来ICT研究所 脳情報通信融合研究センター(CiNet) 脳機能解析研究室

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