高出力かつ狭線幅動作の波長2µm帯のレーザー技術

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特徴・優位性

  • コンパクトかつ低価格な単一周波数動作のレーザーダイオード励起CW固体レーザー
  • 100mW以上の高出力と10kHz以下の狭線幅動作を実現
  • 高速かつ広帯域にモードホップフリーの周波数チューニングが可能

用途・応用分野

  • ゲリラ豪雨や線状降水帯などの気象現象に対する防災・減災用観測システムの基幹モジュール
  • 光通信など幅広い分野で応用可能
実証実験済

概要

波長2µm帯の持つ優れた特性(たとえば、目に対する高い安全性、水蒸気や二酸化炭素に対する吸収特性などを利用して、大気の様々な情報(すなわち風、水蒸気、大気微量成分、大気中の気体成分など)の空間分布を、高精度で計測するLiDAR装置の研究開発を進めています。

今回、開発に成功した波長2µm帯のレーザーは、コンパクトかつ低価格な単一周波数動作のレーザーダイオード励起CW固体レーザーです(図1)。100mW以上の高出力と10kHz以下の狭線幅動作を実現しました。高速かつ広帯域にモードホップフリーの周波数チューニングが可能で(図2)、 LiDAR装置の周波数基準となるシードレーザーとして用いられます。

このレーザー以外にも、レーザーに関する周辺技術(高出力化、波長制御技術など)の研究開発や、他の波長のレーザーの研究開発も進めています。 (2025年6月19日更新)

コンパクトな筐体には、Nくんの入ったNICTのロゴシールつき
図1 開発した波長2µm帯の単一周波数レーザー。直方体の最長辺は約65mm
実際の調整を示すグラフ。線の色も紫から赤へ順にグラデーションで示されている
図2 レーザーの波長スペクトル、レーザー内部のエタロン素子を調整することで、発振波長を短波長側(紫色)から長波長側(赤色)に変化させることが可能

関連情報

担当部門

電磁波研究所 電磁波伝搬研究センター リモートセンシング研究室

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