太陽風は地球磁気圏と作用し様々な電磁擾乱を引き起こします。 その中でも地磁気嵐は、 通信システムや宇宙機器に大きな障害を与えることがあります。 地磁気嵐の大きさをDstという指数で表します。 これは地磁気嵐の時に発生する、 地球を取り巻く環状の電流が地球磁場をどの位うち消すか示すもので、 ナノテスラ単位で表します。 通常中緯度の地上では、地球磁場の大きさは4〜5万ナノテスラですが、 地磁気嵐の時はその水平成分が100〜600ナノテスラ減少します。 この減少した値がDstです。 ACE衛星は太陽風が地球に到達する約1時間前に各種の太陽風パラメタを観測します。 ここでは、惑星間磁場の大きさ、ベクトル3成分、太陽風の密度、速度を用いて、2時間後のDstの値を予報します。 この時間内で人工衛星、 地上の通信網等様々なシステムは地磁気嵐に対する対抗策を講じる事が出来ます。 太陽風に対する地球磁気圏の反応は、線形応答の様に単純なものでは無いので、 予報にはエルマン型ニューラルネットワークという手法を使いました。 これは人間の脳の判断法を参考にして出来た予測法です。